地元でリベンジVのシングルマザー。コンテストを経て変わった「自分との向き合い方」




5月20日(土)、宮崎・メディキット県民文化ホール・演劇ホールで開催されたBEST BODY JAPAN(BBJ/ベストボディ・ジャパン)宮崎大会。バランスがよく引き締まった健康美がテーマのベストボディ・ジャパン部門レディースクラス(30歳~39歳)で優勝した湯地麻美は、スポーツインストラクターとして活動しながら3人の子どもを育てるシングルマザーだ。

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そんな彼女のコンテストデビューは2022年のBBJ宮崎大会。それまでは大会への思いはありつつ自信が持てず、あと一歩が踏み出せなかったと振り返る。そんな中、子どもや仲間に背中を押されて出場を決めたが、初めから上手くいくことばかりではなかった。

「初の大会では張り切って無理な減量をしてしまい、体調を崩してしまいました。それでも『子どもたちのためにもここで折れてはいけない』と思って、無理してでも出場を続けました」

気合いが空回りしたかコンディションは最悪。初挑戦の宮崎大会では入賞すらできず、泣きながら会場を後にした。その後もなかなか結果を出すことができなかったが、彼女は決して挑戦をやめることはなかった。

「地方の大会に出ると新しい出会いがあるんです。とくに私の周りには、弱い自分と闘ってきた方や自分を好きになりたいから出場しているという方が多くて、本当にすべてにおいて学ぶことがたくさんありました。ここまで続けられたのはもちろん子どものため、仕事のため、自分の周りにいる大切な人のためでもありますが、そういった学びがあったことも大きいかもしれないです」

多くの学びを得て迎えた2023年。5月5日(金)に開催された鹿児島大会のモデルジャパン部門で優勝をはたし、ベストボディ・ジャパン部門でも3位入賞。成績を伸ばせた要因を彼女に問うと、2022年の九州大会後に考え方が変わったことが大きかったと話してくれた。

「去年の九州大会は大失態でした。髪型が決まらなかったことで、それに引っ張られて出場する前から『負けた』と思ってしまっていたんです。でも大会後、公認講師の先生のおかげで、自分で自分を苦しめていたことに気づきました」

自信のなさから己に重圧をかけていたことを反省し、「これではやってきたことを台無しにしてしまう」と気持ちを一新。その後は先述の鹿児島大会で優勝をはたすと、勢いそのままに今大会の頂点に立った。

「地元でリベンジしたいという思いで、去年と同じくベストボディ・ジャパン部門一本に絞って出場しました。まさかグランプリを獲れるとは思っていなかったので、優勝できてうれしいです。でも、トップ選手に比べると私はまだまだだと思うので、いつかベストボディ・ジャパン部門で日本トップになりたいです。そしてそれだけでなく、内面も美しく、人を幸せにできるような人間になりたいと思います」

今後の大目標は日本大会。自身の内面と向き合って殻を破った湯地は、いつか日本の頂点に立つことを夢見て努力を重ねていく。

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取材・文/シュー・ハヤシ