23時のコンビニ飯はNGですか?【アラサー男子の質問に管理栄養士がズバリ回答①】




読者のみなさま、こんにちは! VITUP! 編集部員の森本です。異業種から編集者・ライターに転身して早2年。アラサーと呼ばれる年齢に差し掛かりましたが、仕事も私生活もまだまだ修行中です。

慣れない仕事と同時に、悪戦苦闘しているのが日常生活――。転職と同時にスタートしたひとり暮らし(人生初)が慣れないこともあり、手探りの生活リズムで食事を摂る日々が続いているというわけです。

ちなみに取材以外は基本的にデスクワークがメイン。就業時間はフレックスタイムで自由なのですが、原稿に時間がかかりすぎると深夜にもつれ込むことも多くなりがちです。運動からも長らく遠ざかっているので、日々の運動量は少ないほうでしょう。

そんな私の食生活を改善すべく、本企画では管理栄養士の大野尚子さんに食事指導をお願いすることにしました。今回お世話になる大野さんは、アスリートのサポートや生活困窮世帯への支援などを行なっている栄養のスペシャリストです。

まずは私の日常生活と食事を3日間見ていただき、大野さんからコメントをいただくことになりました。日々ドタバタなアラサー男子は食生活を改善できるのでしょうか?

管理栄養士の大野尚子さん

せわしない日々では食生活も乱れまくり

1日目。

朝食は会社に到着してから、午前10時30分頃でした。前夜のうちにつくっておいた手づくりのおにぎりをほおばります。

8時30分の目覚まし時計の音に飛び起きて、慌てて9時の電車に乗ったので、ゆっくりしている暇がありませんでした。朝はデスクの前に座り、ようやく頭が目覚めてきます。朝のゴールデンタイムはどこへやら、これでは仕事がはかどるはずもありません。

節約のために自家製おにぎりを持参

エンジンをかけて仕事に取り掛かり、原稿が一区切りついたのが昼の14時。早くて安い食事を求め、行きつけの牛丼屋で昼食を摂ります。

昼は行きつけのチェーン店で牛丼セットを完食

食後は眠くなるのでカフェイン入りの飲料で目を覚まし、午後をフル活用して仕事に没頭します。先輩方が出張帰りに買ってきてくれるお土産は密かな楽しみで、仕事中につい手が伸びてしまいます。

炭酸飲料やお菓子を片手に仕事

と、ここでトラブルが発生! すっかり忘れていたタスクが期限ギリギリであることに気づいてしまったのです。書き途中の原稿を後回しにして、急ぎのタスクの処理に取り掛かります。

このようにドタバタな日々を過ごし、気づくと時刻は19時30分。パソコンには書きかけの原稿が残っています……。できれば今日終えたい、でも時間がない。迷う気持ちを抑え、時たまのプッシュアップで鍛えた大胸筋に問いかけてみることに。

「今日やるのかい、やらないのかい。やーる!」

原稿に一点集中し、「早くできるなら、はじめからやれよ」と言われそうなスピードで原稿が完成! 時刻は23時と完全にやらかしですが、自分との闘いには勝ったということでしょうか。

安心してお腹が空いた私は、気づくとコンビニで好物を買い込んでいました。千円札1枚で買える幸せを握りしめながら、コンビニの前でパクリ。なんやかんやで、ズッコケ編集部員の1日が終わるのでした――。大野さん、これで大丈夫でしょうか?(笑)

深夜23時のコンビニ飯。サラダチキンバー(チーズ)、ピザサンド、おにぎり(たらこマヨ、焼き鮭)

食事時間の改善が急務

「大丈夫……ではありません! 落ち着いて食事の内容を分析していきましょう。まず栄養素が全体的に不足しています。食事の間隔や食べる時間帯も問題ですね。まずはすぐに改善できる食事の時間に焦点を当てましょうか」(大野)

食生活記録・改善アプリ「あすけん」にて栄養価を算出

「時間栄養学」という考え方に基づくと、起床後1~2時間以内の食事は体内時計を整え、気持ちのいい1日のスタートにつながるそうです。当然ながら深夜のコンビニ飯は胃腸に負担がかかり、睡眠の質を落とすことになるのでNGとのことでした。なるほど、だから朝起きても疲れが抜けず、頭も冴えていないのですね……。

「忙しい中でも食事を摂る時間は意識して変えていきましょう。たとえば、夕食のコンビニご飯を19時くらいから食べはじめるだけでも大丈夫です。昼食と夕食の間を短くすることでドカ食いの予防になりますし、胃腸の負担も減るので次の日をスムーズに迎えることができます」

栄養状態はもはやトリプルスコアで完敗。そして、これはどうやら仕事の効率にも関係していることが濃厚です。まずは時間栄養学の考え方をインストールして、また明日からがんばろうと思ったのでした。大野さん、ありがとうございました!(2日目に続く――)

大野尚子(おおの・しょうこ)
食生活の相談室 食STEP代表、管理栄養士。短大卒業後、栄養士として給食会社・食品会社勤務を経て管理栄養士の免許を取得。(独)国立健康・栄養研究所にて、国民健康・栄養調査業務に携わり、全国各地での研究における食事調査を担当する。その後、特定保健指導、国立スポーツ科学センターでのトップアスリートの栄養サポートを担当。独立後はジュニアアスリートを中心としたスポーツ栄養相談・個別サポートNPO法人における生活困窮世帯に対する食育事業、高齢者介護予防事業、コラム執筆、講演活動などに注力している。