「遊びの総合的な場所、それがROOTSというジムのコンセプト」
——何度も聞かれたと思いますが、現役時代もルミナさんはお金では動かなかったですよね。
「もう、あらゆるところから声がかかりましたね。ただ、みんなとは方向性が違っていて、自分がやっていることをスポーツとして後世にまで残るものにしたいというのが一番でしたから。逆に当時で言えばPRIDE武士道とかに出場することで、その活動が促進されるのであれば即オファーを受けていたと思います。修斗のことを誰もが知っているという状況なら、修斗だけにこだわる必要もないですからね」
——お金だったりテレビに出て名声を得たいとか、そういうものに流れるのが普通のようにも思えますが、ルミナさんからはそういったものが一切見えませんでした。
「知名度とかそういう部分に関しては、ある程度早い段階であったというか。街を歩いていたら『あ、ルミナだ』という時代もあったので、そこに対する欲求はなかったです。繰り返しになりますけど、MMAをひとつのレギュレーションにして、ちゃんとした競技として認知されるようにしたい、自分がやっているものをスポーツとして後世に残したいというだけですね」
——わかりました。では最後に軸の一つであるジムの今後の方向性についてもお聞かせください。
「ジムにはプロの選手もいればダイエット目的、そして70歳オーバーの方もいらっしゃるので気軽に足を運んでもらえればと思います。格闘技というと敷居が高いだとか怖そうなイメージがあると思うんですけど、ウチはヨガもやっていますし健康づくりのベースになる場所と捉えてもらったほうがいいと思います。今後もストレッチクラスとかムーブメントクラスとかいろんなコンテンツを入れていきたいですし、あとはやっぱりジムの看板にも入れてある“SURF”を動かしていきたいですね。僕の知り合いのスペシャリストたちにサーフィンだったりSUPだったりをみんなで習いに行こうとか、僕がやってきて楽しかったことを会員のみなさんにも味わってもらうようなものを企画したいと思っています。カラダを使った遊びのハブとなる場所、それがROOTSというジムのコンセプトですね」
取材・文・写真/松浦俊秀
写真提供/佐藤ルミナ
佐藤ルミナ(さとう・るみな)
本名:佐藤留美奈。1973年12月29日、神奈川県出身。167㎝。65㎏。ROOTS代表、一般社団法人日本修斗協会理事長、アマチュア修斗委員会委員長。プロ戦績(VTJ、SB含む)/46戦27勝17敗2分。ROOTSホームページ/インスタグラム/YouTubeチャンネル