「年齢的にも38になり、スポーツモデルの選手の中でも上の方になってきました。それでも年齢にとらわれず、がんばれば第一線で活躍できることを示したい。そして、応援してくれる家族の前で、2児の父として努力しながら若い選手たちと闘っている姿を見せたい……そんな思いで出場しているので、子どもたちが『おめでとう』が言ってくれるときというのは、本当にやっていて良かったなと思う一瞬です」
そう話すのは、6/17(土)に大阪・ドーンセンターにて開催された3団体コラボイベント「筋肉祭」の関西大会のフィジーク部門で頂点に立った鶴巻孝浩だ。普段はSUMMER STYLE AWARD(サマスタ)のスポーツモデルのプロ選手として戦いながら、昨年からはフィジークにも挑戦。この日もダブルエントリーでステージに立ち、スポーツモデルでは4位だったものの、より筋量が求められるフィジークで見事な結果を残した。
「7月のプロ戦に出場するのですが、そこにつなげられればと思い、今回はこの『筋肉祭』へ出場しました。スポーツモデルの第一線で戦ってきていますが、フィジークの選手から見ると『スポーツモデルの選手の体は小さい』という印象を受ける方はいると思います。いやいや、スポーツモデルに出ている選手でもフィジークで通用するんだというところを示したいと思い、昨年から出場しています」
「筋肉祭」は主戦場とするサマスタのプロ戦とは異なり、SUPER BODY CONTEST(SBC)やJ-CLASSIC、あるいはそれらの団体以外からも一般選手が集まる、まさに“祭り”的なイベント。とはいえ彼のような強豪選手も多数参戦するなど、どのカテゴリーでもプロ戦さながらのハイレベルな戦いが繰り広げられた。
鶴巻は見事に優勝を飾ったものの、決して完璧ではない。反省点も多かったと大会を振り返る。
「体もまだまだですが、やはりポージングには課題が残りました。フィジークのフリーポーズの動画を見返してみると、どうしてもスポーツモデルの色が出てしまっていました。言葉で表現するのは難しいのですが、ポーズとポーズの間のムービングでも魅せるのがスポーツモデル。フィジークではその部分はもう少し消さないといけません。そのあたりは、次の戦いまでに修正したいと思います」
今シーズンについては、7月末のプロ戦はスポーツモデルで、12月のプロ戦はフィジークで出場する予定だという。
「昨年は両競技で戦い、12月のプロ戦ではダブルエントリーしました。結果的にスポーツモデルのミドルクラスで優勝はできましたが、やはりタイムスケジュール的にどちらにも集中ができなかった反省がありました。7月のスポーツモデル、12月のフィジーク、それぞれに集中して結果を残したいと思います」
“二刀流”は両方をやれば良いのではなく、両方で結果を残してこそ価値がある。スポーツモデルの造形美とフィジークのサイズ感、双方を追及しながら、そして家族の支えを受けながら鶴巻はこれからもステージに立っていく。