佐久間編集長のパーソナルトレーナー百人斬られ(仮)Vol.32 ヨシコ(VIBRUN)前編




VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。今回は看護師からパーソナルトレーナーに転身したヨシコトレーナーが登場。医療現場で働いていたところから、なぜトレーナーの道へ進むことになったのか? 前編ではその歩みを紹介していきます。

ヨシコトレーナーのパーソナルトレーナーになる以前の職業は看護師。その道を志したのは陸上競技に取り組んでいた、中学生時代のことでした。

 

「中学生くらいのときから、将来は看護師になりたいと思っていました。人間の体について詳しく知りたいと思ったのが、その理由です。スポーツをやっていると、たとえば足をつったりとか、体の調子が良いときと悪いときがあったりとか、どうしてそういうふうになるんだろう?という疑問と興味があったんです。当時はインターネットで調べるよりも、本から調べるという感じで、情報が古いと的確な答えが見つかるわけでもありません。だったら自分で学びたいなって思いました。医師になるとしたら大学6年間ですし、金銭的にもハードルが高いかなと思っていたので、看護師を目指そうと考えていました」

 

早くから将来を思い描いていた通り、ヨシコさんは高校を卒業すると同時に看護学校へと進学。病院での実習も経験しつつ、多くのことを学び、国家資格を取得して、卒業後は看護師として働くことになりました。

 

「学校の実習は患者さんと1対1なんですが、実際に病院で働き始めると、日々の受け持ちの患者さんが10人くらいいるので、1対1だったのが1対10になるんです。だから患者さんに付きっきりになれなくて、優先順位をつけなければいけない部分もあり、葛藤することがありました。これは新人看護師がぶつかる壁の第1位みたいな感じなんですけど、それにちゃんとぶつかりました(笑)」

 

多くの患者さんと向き合い、時には夜勤もあり、大変なこともある一方で、教科書で学んできたことを医療現場で目の当たりにして、理解が深まっていくことへの充実感は大きかったと言います。そして看護師になって4年が経ち、さまざまな経験を積み、いろいろな患者さんと出会い、知識が深まっていくと、ヨシコさんの考えに少し変化が生まれていきました。

 

「私は呼吸器内科の病棟で働いていたので、肺の病気を持って来られる方がほとんどだったのですが、それ以外にも糖尿病や高血圧など、生活習慣病を持っている患者さんも多かったんです。生活習慣病を持っていると、メインの疾患の治療が遅れてしまったり、退院後は家に帰りたくても施設に行くことになってしまうこともあります。そういう患者さんを見ていて、何かできることはないかと、歯痒かったんです。生活習慣病は予防することができるので、病気になってから何とかするのではなくて、病気にならないように予防できることをしたいと思うようになりました」

 

病院での仕事となると、どうしてもすでに病気を患った人へのケアになりますが、そうではなく病気にならないようにアプローチしたい。医療現場で現実を知ったからこそ、ヨシコさんは、違う形で人々の健康に貢献することはできないかと考えるようになっていきました。

 

そうしたなか、偶然パーソナルトレーナーの方と知り合い、その仕事内容を聞くと、「これって私のやりたいことじゃん」と、視界が開けました。

 

「パーソナルトレーナーはトレーニングを見るし、食事も見るし、それ以外にも睡眠や生活習慣など、全体を見ることができるので、これだ!と思いました。ちょうど、ここのジムが新しくオープンするというタイミングも重なって、パーソナルトレーナーとしての活動をスタートしました」

 

運命に導かれるようにヨシコさんは、パーソナルトレーナーに転身。人間の体に関する知識は持っていたため、自らトレーニングを始め、トレーニングに関する知識も吸収していきました。

 

「心が健康じゃないと体も健康になれない」

 

こう語るヨシコさんのトレーナーとしてのモットーは、全力でお客様と向き合うこと。理想は「何でも言い合えるような存在」です。

 

「家族でもなく、仕事とも関係ない他人と、月に何回も会うことってあまりないと思うんです。美容院でも月に1回ですから。でも、パーソナルトレーニングって多い人だと、週2回、3回と来てくれる方もいます。それだけ時間を割いて会いに来てくれるわけですから、トレーニングや食事のことだけでなく、日々抱えているストレスとかもここで発散してほしいし、何でも言える相手になりたいと思っています。お客さんに健康になってもらうことが一番ですし、心が健康じゃないと体も健康になれないですから」

 

お客様を健康に導くため、トレーニングや生活習慣はもちろん、心の部分もケアしていく。パーソナルトレーナーになってからは、それを実践できている手応えがあり、さらに健康の輪を広げていきたいと考えています。

 

「今は店舗が一つしかないですけど、ゆくゆくは店舗を増やして自分が関われる人を増やしていきたい。また、実際のパーソナルトレーニングだけではなく、SNSで私が発信した情報で、誰かが健康になったり、健康を考えるきっかけになったりしてくれたら嬉しいですし、そうやって直接関わることができない人にも健康を届けていきたいです」

 

とにかくたくさんの人に健康で幸せな生活を送ってほしい。それがヨシコさんの変わらない願いであり、そのために尽力することが、トレーナーとしての矜持です。

 

 

というわけで今回はここまで。次回は実際のトレーニングを体験させてもらいます。

 

 

【トレーナーPROFILE】
ヨシコ(よしこ)
看護学校にて解剖生理、呼吸生理、加齢に伴う身体の変化、数々の疾患の生理についてなどを学ぶ。卒業後、4年間看護師として呼吸器内科の病棟で勤務。生活習慣病の三次予防の医療現場で感じた「こうなる前になんとかしたい」という思いから、一次予防の世界となる、パーソナルトレーナーに転身した。

 

【店舗情報】
パーソナルジムVIBRUN
住所:東京都江東区毛利1-11-19 グリーンゲイブルズ401
営業時間:8:30~22:00(最終受付は21:00)
パーソナル料金=月6回コース(1回30分、食事指導付き)26,400円/ダイエット・ボディメイク8回コース(1回60分、食事指導付き)99,000円※有効期限なし  etc
※その他のプラン、ビジター料金など詳しくはHP参照

 

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。