【渡辺華奈のデートするならジムがいい 第69回】ストリートファイターのモーションアクターをやりました




6/2にカプコンさんより発売となったゲームソフト『ストリートファイター6』にて、モーションアクターを務めさせてもらいました。発売から少し時間が経っているので、すでにプレイしてくれた方もいるでしょうか?

 

元々、アクションが大好きで、ジャッキー・チェンやジェット・リーのアクション作品をずっと見てきました。自分でもアクションをやりたいと思っていて、殺陣をやったりしていたこともありました。ゲームのモーションアクターはスタントマンの方やスーツアクターの方が多く関わっていて、今回はそうしたつながりからお声がけいただきました。

 

自分は「MARISA/マリーザ」というキャラクターと「MANON/マノン」というキャラクターのモーションアクターを担当しました。

 

マリーザはパンクラチオンの使い手で結構パワフル系なので、ちょっと自分と近い感じかなと思っています。自分は試合のときは必ず髪を赤くしています。マリーザも髪が赤くてごつい感じで、雰囲気が自分と似ています。実際、キャラクターを見た周りの人たちからも「すごい似ている」と言われています。でもマリーザは自分をモデルにしたわけではなく、似ているのは本当に偶然なんです。

左・渡辺華奈、右・マリーザ

 

一方のマノンは柔道とバレエの使い手で、柔道のパートを自分が担当し、バレエのパートは別な方が担当しています。こちらはムキムキという感じではなくて、スタイリッシュでかわいいキャラクターです。服装もオシャレな柔道衣みたいな感じです。

 

 

モーションアクターは普通では体験できないことなので、すごく貴重な経験になりました。体の動きがわかるような全身タイツのようなものを着て、実際に動いたり、技をやったりします。失敗してやり直しになると、皆さんに迷惑がかかると思って少し緊張しました。試合で勝つために使う技と、ゲーム映えするというか、クリエイターさんの求めている動きは必ずしも同じではないと思うので、その部分は現場で話し合いながら進めていきました。

 

撮影の現場はすごくやりやすい環境でした。最初のマノンの収録は3日間、朝から夕方までのスケジュールでした。スタート時間、終了時間がキッチリ決まっていて、長くなることもなく、休憩時間もしっかりと用意されていました。また、自分にとって大事な(笑)お弁当もすごく良かったんです。撮影場所の近くにサラダボウルのお店があって、少し高いんですけど、そこで昼食を用意してもらいました。とにかく至れり尽くせりで、本当にいい仕事だったなと思っています。

 

実は収録は2年以上前のことで、ゲームの開発、制作にはすごく長い時間がかかるものなんだと知りました。いろいろな方の尽力があって出来上がった作品なので、ぜひ皆さんにもプレイしていただきたいです。

 

キャラクターとしてはマリーザに似ていると言われますが、ゲームの中では柔道技を使うマノンのほうが渡辺っぽさを感じるもしれません。実際にプレイしてみて、この動き渡辺っぽいなというのを探してもらえると嬉しいです。

 

 

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渡辺華奈(わたなべ・かな)
1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRIZIN初参戦で実力者杉山しずかに勝利。2021年よりアメリカ格闘技団体「ベラトール」に参戦している。所属はFIGHTER’S FLOW