バキバキの筋肉女子や筋肉をこよなく愛す女の子の育成所として池袋で営業しているコンセプトバー「筋肉女子-マッスルガールズ-」。お客さんの9割が外国人と、筋肉女子を日本のニューカルチャーとしてアピールしているいま勢いのある場所だ。そんな、新しいカルチャーの発信源となる店舗を仕切るのが今回インタビューを受けてもらった店長のハリマッスルさん。インタビュー第二回では、マッスルガールズへの入店のきっかけと、店長として意識していることについて探っていく。
――サマスタ(SUMMER STYLE AWARD)にデビューした後の大会出場は?
3年ほど空いて、2021年はJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)に選手登録をしてマッスルゲートとJBBFの大会(ボディフィットネス関東選手権、 ボディフィットネス JAPANオープン)に出場しました。その間はフィットネスジムで店長を務めることになり、3年間で2つの新店舗を同時に任せていただきました。そっちに注力しすぎて、3年空いてしまった形です。
――2店舗も。すごいですね。
店舗の立ち上げから、会員さんの集客、スタッフの教育など、いろいろ任せていただきました。リーダーとしてなにかを運営することは好きなので楽しかったです。
――今もですが、吉野家時代、フィットネスクラブ時代とつねにリーダー的な立場を務めている印象があります。
リーダーとして仕事ができるのは、やはり新卒で入社した吉野家時代の経験が大きいですし、いまのベースになっています。当時言われた言葉で「組織を正しい道に進めていきたいと思うなら、自分が組織を導ける立場になれ」という言葉は印象に残っています。自分自身が仕事を最も楽しめる環境をつくるには、まずは自分が精一杯努力して仲間や上司に認められないとだめだなと。
――そういったお気持ちがハリマッスルさんのリーダーシップにつながっているんですね。「マッスルガールズ」へはどのような経緯で入店したのでしょうか。
2020年から2021年にかけてライブ配信アプリのPococha(ポコチャ)で、トレーニングや、トレーニング飯をつくる配信をしていました。その配信を『耳よりキン肉情報』というブログを運営する「新宿の筋肉さん」がよく見に来ていただくようになり、「ハリちゃんにぴったりの店があるよ」と言っていただいたのがきっかけです。「筋肉が大きい子こそ輝ける場所が池袋にあるよ」って言われたら調べずにはいられず。調べてみたらめちゃくちゃ面白そうで、すぐにでも入店したかったのですが、当時は正社員としてフィットネスクラブで働いていたので、「もし辞めたら働きます」みたいな感じで保留にしていたんです。
――入店の決め手になったのは?
新宿の筋肉さんは「もうオーナーに言っとくから」みたいな感じで、熱心に誘ってくれました。それでフィットネスジムをやめるタイミングになった時に、アルバイトとして週1程度で他の仕事と並行しながら出勤しはじめました。当時は地元の茨城から通っていましたね。
――それほどまでに魅了されていたわけですね。
交通費は完全に赤字だったのですが、それでも行きたいと思っていました。やっぱり働いている子が全員トレーニーなので、とにかく話をしていて楽しいです。トレーニーにしかわからないあるあるとか、何を話しても全部通じるから、食事やダイエットについての知識の量もみんなやっぱりすごいし、楽しすぎましたよね。それにお客さんも体が大きいことに対してめちゃくちゃ褒めてくれるので自己肯定感が上がることしかないんです。本当に新宿の筋肉さんが言っていた通り、素晴らしい場所だと思います。
――その後、2022年から店長としてマッスルガールズを引っ張りはじめるわけですが、店長として意識されていることはありますか。
今所属しているのが35人なのですが、みんな個性豊かすぎて、動物園を越えて珍獣園みたいな感じなんですよね(笑)。それほどの個性はつぶしたくないので、必要最低限の規律を守っていただいて、あとはある程度自由にのびのびとできる環境をつくるようにしています。
◆次回は最終回。ハリマッスルさんが目指すマッスルガールズの行く先とは。
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取材・文・写真/中野皓太