「社会人になってから明確なゴールが見えづらくて」“普通のサラリーマン”がコンテストに挑む理由




「すごくうれしいです。支えてくれた会社の先輩や友だち、家族に感謝を伝えたいと思います」

金メダルを手に笑顔でそう語ったのは、第6回日本社会人メンズフィジーク選手権大会(8月20日開催)でオーバーオール優勝に輝いた新井恒輝だ。彼は日頃は普通のサラリーマンだが、舞台に立つと鍛え上げた体でポージングを決めるフィジーク選手に変身する。そんな彼がボディコンテストに挑戦するのには熱い理由があった。

【フォト】サラリーマンとフィジーカーの二刀流。新井が見せたステージショット

「大学の頃から筋トレが好きでマッスルゲートに出たりしていました。社会人になってから大会は諦めようかなと思っていたんですけど、情熱が消えなかったので続けることにしました」

学生時代とは異なり、時間の制約が厳しくなる中でもトレーニング時間を確保。競技で成績を残すために努力を重ねていった。タイトなスケジュールの中でもエネルギッシュに活動できるのは、新井の中で目標を持つことが欠かせないからだ。

「学生の頃を振り返ると、部活・受験・就活など、目標に向かって努力するのが当たり前だったと思います。その中でいざ大学を卒業して社会人になってみると、明確なゴールが見えづらくなった感覚がありました。やっぱり大会があると目標が生まれますし、大好きな筋トレで夢を追えるというのはすごく魅力的だなと思います」

とはいえ、競技に没頭するあまり仕事がおそろかになっては本末転倒。自己管理を徹底して仕事に臨む彼を周囲も応援してくれているという。今大会で栄光を手にしたことについては「スタッフの方々もすごく親切でしたし、とても素晴らしい大会だと思いました。この舞台で賞をいただけて光栄です」と思いを語った。

「今後はオールジャパン選手権の決勝に出られるような選手になりたいです。同時に社会人としても会社の中で活躍してキャリアアップしていきたいと思います」

学生時代よりも充実した“今”を生きる新井は、今後も熱い思いを胸にトレーニングを続けていく。

▶次ページ:新井のアザーステージフォト