勝つために一人暮らしを始めたパワー系青学女子。学ボの歴史を動かし初代女子大生チャンピオンに




9/30(土)に埼玉・深谷市民文化会館にて開催された「第57回全日本学生ボディビル選手権大会」。60年以上に及ぶ学生ボディビル=学ボの歴史において、2023年、ついに新たな1ページが刻み込まることになった。

ここ数年のフィットネス人気の高まりにより、女性トレーニーが爆増。学生ボディビル界においてもその流れは波及し、2023年、ついに学ボの歴史の中で初となる女性カテゴリーの競技「女子ビギナーズフィットネス」が開催された。

【フォト】青いレギンスと笑顔が光るステージングを見せる堀越

「今回から、今回から……」と毎年開催が期待され続けてきたが、なかなかエントリーが集まらなかったこの女子競技。だが今年は、ついに6大学から8人の女子選手が参戦。初代女王に輝いたのは、青山学院大学4年の堀越百恵だ。

「優勝を目指してずっとやってきたので、めちゃくちゃうれしいです!」

明朗快活を絵に描いたように、そう話す堀越。聞けば、実家は料理店を経営しているとのこと。だが、ボディコンテストでの勝利を目指す上で減量は付きものということもあり、食の誘惑に負けぬよう、この春からわざわざ一人暮らしをはじめて準備を進めてきたとのことだ。それほど、学生最後の年のこの大会に強い思いを懸けてきた。

「出場を決めたきっかけは、東京大学の友人が『一緒に出てみない?』と誘ってくれて。最初はまったく乗り気じゃなかったんですよ。でも、しょうがないな~って(笑)。とはいえ、やりはじめたからには1位を絶対に獲りたいと、本気でがんばってきました」

高校からパワーリフティングに励んでおり、青山学院大学では主将も務めている。筋トレはもちろん、大会慣れは十分にしているが、実際にステージに立つとボディコンテストとパワーリフティングの大会はまったくの別物だったと語る。

「最初はもうポージングをするのが恥ずかしくて、恥ずかして……。体づくりはパワーリフティングの練習と並行して行ってきましたが、人前でポーズをとることもこれまでないですし、『私を見てほしい!』ともまったく思わないタイプなので。でも、いざステージに立ってみると応援してくれる方々の暖かい声援や拍手もあったので、思いっきり楽しむことができました」

出場した8人とも初々しさを感じるステージではあったが、そのボディはもちろん、笑顔を絶やさない雰囲気が優勝の源になったのは間違いない。トレーニーとして今後どのようなキャリアを歩むのか楽しみではあるが、すでに来年からの就職が決まっており、今回が最初で最後のステージとなるようだ。

「はい、選手としてはきっぱり、ここで終わりにします! でも、趣味でトレーニングを続けていくとは思うので、遠くからボディビル、パワーリフティング会をこれからも応援し続けていきます」

▶次ページ:【フォト&ムービー】堀越のアザーステージショット