2023年のフィットネス競技もいよいよクライマックスへ。10/8(日)、東京・江戸川総合文化センターにて日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)主催の「JBBFフィットネス・グランド・チャンピオンシップス2023」(通称・グラチャン)が開催される。本大会は、9月に開催されたフィットネス3競技の階級別決戦「オールジャパン・フィットネス・チャンピオンシップス」の上位入賞者が集い、階級無差別のオーバーオール決戦を繰り広げる、真の日本一決定戦だ。
ビキニフィットネス
ビキニフィットネスにおいては、女王・安井友梨(163cm超級優勝)とダンシーあずさ(163cm以下級優勝)の一騎打ちに近い戦いになるはずだ。安井は8月に事故により足の指を骨折する負傷を折ったが、痛みの残る中でもオールジャパン選手権をマスターズクラス、一般クラスをともに戦い抜いた。現在でも完全治癒とはならないだろうが、オールジャパン翌週のフィットモデル選手権ではステージ上でその影響はいっさい見せておらず、今回もほぼ万全の状態でステージに立つはずだ。
ダンシーも年々そのボディの凄みは増しており、特にヒップを中心にしたバックポーズにはより磨きがかかってきた。常に安井の後塵を拝してきたが、その差が縮まっているのは確かであり、「逆転するなら今」というところまできていると言えるかもしれない。
昨年3位の小谷野彩香が今年は欠場のため、同4位でオールジャパンでは158cm以下級を初めて制した佐野愛美が銅メダルの最有力候補だ。小柄ながら引き締まったバルキーさもあるボディを持ち、安井とダンシーとは系統の違う魅力を備えている。圧倒的な貫録を持つ長瀬陽子や、163cm超級で安井に肉薄した廣中れな、SPORTEC CUP優勝の本田有希子に加え、急成長中の小倉あれずや昨年のジュニア女王・国田海月ら若手も楽しみな存在だ。
ボディフィットネス
よほどのことがない限り、連覇中の大谷美咲(158cm以下級)の絶対的地位はゆるがないだろう。昨年もパーフェクトスコアで勝者となっており、今年のオールジャパンでも言うことなし。筋量を備えながらも女性らしい丸みをしっかりと残したアウトラインは「これぞボディフィットネス」という仕上がり。
163cm級覇者の金子真紀子、163cm超級覇者の楯岡仁美らはもちろん、大谷と同階級でオールジャパン2位の澤下美香、同3位で今年のSPORTEC CUP優勝の大久保裕美の追い上げにも期待したい。
メンズフィジーク
昨年からの審査基準の調整の影響をもっとも受けているのがこのメンズフィジークだ。いわゆる“デカい”選手が順位を落とす傾向はJBBFの他大会でも色濃く表れており、今回のグラチャンでも間違いなくその方向に審査は動いていくはずだ。
昨年覇者の伊吹主税をはじめ、直野賀優(昨年2位/今年180cm超級3位)、長澤秀樹(昨年3位/今年172cm以下級優勝)、木村拳太(昨年4位/今年168cm以下級優勝)、外間博也(昨年5位/今年176cm以下級2位)、穴見一佐(昨年6位/今年180cm以下級優勝)と、昨年のTOP 6は総じて今年もエントリー。顔ぶれに大きな変化は少なそうだが、172cm以下級2位の増原駿、同3位でSPORTEC CUP優勝の上松康一郎、180cm以下級2位の渡辺和也らも上位争いには絡んでくる可能性は十分にある。
唯一残念なのが、バランス型ボディで180cm超級を制した新星・奇埈成の名前が出場者リストになかったことだろうか。まさに現在の審査基準に沿った選手であり、他クラスの上位選手と並ぶ中でどう評価されるのか、見てみたかったところだ。
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当日は10時30分に開会式がスタートし、ボディフィットネス、メンズフィジーク、ビキニフィットネスの順に予選審査→決勝審査が行なわれていく。フィットネス日本一が決まるその瞬間をお見逃しなく。
文・写真/木村雄大