バズーカ岡田先生が顧問を務める日本体育大学ボディビル部。今回はそんな筋肉の世界でトレーニングに励む、女子部員の合同トレーニングに密着しました。企画に参加してくれたのは4年生の林美緒さん、3年生の生駒千景さん、2年生の小林菜夏さんの3人です。
【動画】ド迫力スクワットから緻密な美ボディづくりまで。日体大トリオの筋トレに密着
林さんと生駒さんは高校時代からパワーリフティングの選手であり、日本トップクラスの実力の持ち主。2019年に「第37回全日本高等学校パワーリフティング選手権大会」を制している生駒さんはもちろん、林さんはBIG3(ベンチプレス、スクワット、デッドリフト)合計400.5kgの日本記録を打ち立て、2021年には「世界クラシックサブジュニアベンチプレス選手権大会」で2位の成績を残した逸材でもあります。
一方で小林さんは柔道からビキニフィットネスに転向した経歴の持ち主。JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)が主催する23歳以下のフィットネス競技日本一決定戦「オールジャパン・ジュニア・フィットネス・チャンピオンシップス2023」で4位と今後が期待される選手です。
部内でも異なる競技に励む3人ですが、共通点は個人競技であるということ。普段ひとりでトレーニングをすることが多いという彼女らは、互いのトレーニングに興味深々です。
そんな中で、彼女たちのトレーニングで一番大きな違いが出たのは「いかに効かせるか」と「いかに楽に重量を挙げるか」という意識の違いでした。パワーリフターはいかに重量を挙げるかが勝負。そのためトレーニングではベンチプレスで胸を反らせる、スクワットの脚幅を調整するなど重量を扱うための技術を鍛えます。
一方で肉体美を競うビキニ競技の小林さんは、筋肉にしっかりと刺激を入れることにフォーカス。ラットプルダウンひとつとってもポージングの形を意識しながら引く、肩甲骨を寄せて大円筋を意識して行なうなど工夫を凝らしていました。
この違いに3人は「そもそも筋トレの目的が違う」と驚いた様子。生駒さんはラッドプルダウンについて「腕トレかと思っていた」とコメントするなど、競技を越えた交流を経て気づきがあったようです。
その他にもスクワットのヒザの向きに加え、パワーグリップ、ウエストシェイパーなどトレーニンググッズの話で盛り上がるなど、合トレは楽しくも学びある時間になったようです。
「トレーニングの違いを話し合ったりする機会は今までなかったです。『自分たちはこう思っていても、ボディメイク競技の人たちはこう思っている』などが知れたので学びになりました。またぜひ一緒にトレーニングしたいと思います」(林)
「今までパワーリフティングしかしてこない人生だったので、マシンの使い方ひとつとっても『ここも鍛えられるんだ』『(効くのは)腕だけじゃないんだ』とかいろいろ学びがありました。いくらバーベルやシャフトを持つからといって、パワーリフティングとボディメイクは別物だとあらためて感じました」(生駒)
「今日は林さんにスクワットを教えてもらって、入り方とかフォームとかはやっぱり参考になるなと思いました。私はトレーニング歴があまり長くないので、ちゃんともう一回勉強して教えてもらったことを活かしたいと思います」(小林)
【トレーニング動画はこちらから】
文/森本雄大
写真/シュー・ハヤシ
取材協力/日本体育大学ボディビル部