佐久間編集長のパーソナルトレーナー百人斬られ(仮)Vol.36 平田歩(A-DREAM)前編




VITUP!編集長・佐久間が全国のパーソナルトレーナーさんを巡っていく「パーソナルトレーナー百人斬られ(仮)」。連載再開一発目となる今回は、沖縄のパーソナルトレーナーのパイオニア的存在とも言える平田歩トレーナーが登場。大学卒業後からフィットネスの世界で働き、沖縄にパーソナルトレーニングを根付かせてきた平田トレーナーの歩みを紹介していきます。

平田歩トレーナーは小さい頃からスポーツ万能、体を動かすことが大好きで、それが現在の仕事へとつながっています。物心がついたときから走るのが速かったと言います。スポーツが好きで、それに関わる仕事をしたいという考えから、高校卒業は地元の沖縄を離れ、上京して日本体育大学へと進学しました。

 

「日体大に入る学生はみんなスポーツエリートでスポーツ推薦が大半ですが、私は体育の教員免許を取りたくて進学しました。高校まではスポーツで目立っていたほうなのですが、大学ではスポーツができることが当たり前でした」

 

国内のトップアスリートが集う日体大で大学生活を送った平田さんは、当初の予定通り中高保健体育教諭1種免許を取得したものの、教員の道へは進みませんでした。大学卒業後に就職したのは、都内にある超高級ホテルの会員制フィットネスクラブ。ここでインストラクターを務めたことがきっかけで、新たな道を歩んでいきます。

 

「フィットネスジムで働き始めたら仕事が楽しくなっていきました。3年間インストラクターとして働きながら、手に職をつけたいと思って機能解剖学を詳しく勉強しました」

 

高級ホテルの会員制フィットネスクラブに象徴されるように、約20年前はまだまだパーソナルトレーニングは敷居が高いものでした。アスリートや芸能人の一つのステータスのようなイメージもあり、一般の人の利用は多くありません。しかし、平田さんは自身が学んだことをより多くの人に伝えたいと考えていました。

 

「私が主に学んだのはコンディショニングと言って、体を鍛える前に整える、機能改善でした。日常生活や競技に必要な動きを、運動によっていかに維持、改善するかということに重点を置いていました。これを沖縄に持って帰りたいと思って、25歳のときに帰郷して専門学校で働くことになりました」

 

沖縄に戻った平田さんは、学校法人SOLA沖縄学園に勤務。スポーツ科学体育学科の学科長を務めるなど、10年に渡って学生たちを指導してきました。そうしたなか、2013年に独立し、A-DREAMを設立します。

 

「10年前は沖縄ではまだパーソナルジムが少なく、機能改善を提供できるジムは少数だったので、それを提供できるジムをつくろうと思って独立しました。最初は広告を打たず、完全に口コミです。一人ひとりに寄り添って忠実にやっていくことで、確実に結果を出す。そうすることで、噂が広がっていきました」

ジム設立当初は一人で月に130セッション回すほどフル回転。噂が広がっていくと、学校部活や外部指導の依頼も受けるようになり、空手やハンドボール、ソフトテニスなど、体の使い方を伝えるトレーニング指導をしました。

 

「それぞれの競技のことはある程度学びますが、体を使うということの基本、ベースは変わらないんです。走る、跳ぶ、投げる、打つといった、体の使い方のベースはどんな競技でも同じなので、基本的な体の使い方を教えます。それがうまく使えていないとケガにつながりますし、ケガをすると練習ができなくなるので、結果が出ない。一番はケガをしない体の使い方を覚えること。それを大事にしていました」

 

パーソナルで個人の結果を出してきたのと同じように、外部指導でも指導した学校が全国大会で活躍するほどの成果を出してきました。そんな平田さんのトレーナーとしてのモットーは「クライアントの声を聞くこと」。

 

「相手の価値観、あるいはチームの価値観が何なのかということを知らないと、同じことをやっても結果は違ってきます。相手の方が“この人に任せられる”と思ってくれた瞬間に結果は出やすくなるんです」

 

ちなみに平田さんはビジョンクリエーション占星術という資格も持っています。これは経営学にも役立ち、時代を先見することにも役立ちます。「生年月日や出生時間でその人の個性もハッキリと出てくるんですよ」と言います。

 

「体の使い方には基本、ベースがありますけど、人に対してはマニュアルはないんです。大手ジムのようなマニュアル対応はなく、一人ひとりの心の声を聞けることが、パーソナルジム、パーソナルトレーナーの良さだと思います」

揺るがない運動指導のベースと臨機応変な顧客対応で確かな地位を築いてきた平田さんのこれからの目標は、「環境づくり」だと言います。

 

「これからは介護施設には入りたくないというお年寄りも増えてくると思います。そういう方のためにも元気な施設、アクティブシニアが集まるような場所ができたらいいし、需要が増えてくると思っています。私一人ではできることに限界があるので、企業、行政と連携して、多くの人が楽しくフィットネスに触れられる環境をつくっていけたらと思います」

 

沖縄にパーソナルトレーニングが浸透していない時期から、少しずつ根づかせるために尽力してきた平田さん。長きにわたって磨いてきた自身の技量と、培ってきた人脈を生かして、地元の人々が健康に過ごしていくための環境をつくり上げてくれることでしょう。

 

 

というわけで今回はここまで。次回は平田さんによるパーソナルトレーニングを体験させてもらいます。

 

 

【トレーナーPROFILE】
平田歩(ひらた・あゆみ)
沖縄県出身。日本体育大学卒業後、都内の高級ホテルの会員制フィットネスクラブで勤務。沖縄に帰郷後は学校法人SOLA沖縄学園に勤務し、講師として人材育成に励む。2013年に独立してA-DREAMを設立。下は小中学生から、上は還暦を過ぎた高齢者まで指導。さらに学校部活の指導にも幅広く携わっている。

【店舗情報】
PRIVATE STUDIO A-DREAM
〔住所〕沖縄県那覇市銘苅1-10-45 チュリスH201
〔営業時間〕10:00~21:00 ※日曜定休
〔料金〕
パーソナルチケット(1回60分)=12,000円
週1回コース(1回60分)=33,000円/月額
週2回コース(1回60分)=58,000円/月額
週3回コース(1回60分)=84,000円/月額
※価格は税込。その他のコースなどの詳細はHPをご確認ください。

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、高校日本代表選出、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアン、パラリンピアンの取材を手がける。