11/5（日）、スペイン・サンタスサンナで開催されていた「IFBB世界フィットネス＆ボディビル選手権2023」最終日の競技が終了し、5日間にわたる戦いの幕が下りた。今大会には日本ボディビル・フィットネス連盟（JBBF）より代表選手20人が参戦し、8つの金メダル、7つの銀メダルを獲得。世界の強豪選手を相手に、日本人のボディビル・フィットネスレベルの充実度を見せつけた。
女子においては、ボディフィットネスの大谷美咲が一般158cm以下級、マスターズ35～39歳級の2つの階級を制し、マスターズの部ではオーバーオール優勝も達成。IFBB（国際ボディビルディング＆フィットネス連盟）の世界選手権の女子競技において、日本人が一般部で金メダルを獲得したのは初めてだ。競技転向の年に日本一、さらに国内3連覇とシンデレラストーリーを駆け上る彼女が、ついに世界の舞台でも輝きを放った。
フィットモデルでは一般160cm以下級で本田有希子が準優勝、一般172cm以下級では安井友梨が優勝と好成績を残した。日本国内では始動3年目の新興競技だが、世界一に近いカテゴリーとして、今後さらなる競技者の増加が期待される。
また女子フィジークでは、先日の日本選手権で初優勝を成し遂げた荻島順子が、163cm以下級で3位と躍動。出場選手の中でひと際小柄ながら、コンディションと仕上がりの良さをステージで披露した。
一方の男子では、田村宜丈がメンズフィジークのマスターズ50歳以上級を制し、5度目の表彰台の頂点に。そのままマスターズの部のオーバーオール優勝も果たすなど、“世界の田村”として存在感を放った。
さらに、五味原領はクラシックボディビルとクラシックフィジークの一般168cm以下級でともに準優勝、須江正尋はマスターズ55～59歳75kg以下級で準優勝と、パワフルな海外選手の中でも、日本人らしい審美性は十分に評価されたと言えるだろう。
そして今大会では、ジュニア勢の活躍も見逃せない。浦川天聖はメンズフィジーク・ジュニア21～23歳174cm以下級で優勝、川中健介はクラシックフィジーク・ジュニア21～23歳級で優勝。川中は一般171cm以下級3位を含めその他に3つのメダルを手にし、充実のシーズンを終えた。
今大会をもって、ほとんどの選手は2023年シーズンの戦いを終えることになる。各自のSNSで結果報告とともに、スペインでの食事を楽しむ様子を投稿するなど、思い思いの時間を過ごしているようだ。
多くのメダルを獲得した一方で、世界の厚い壁に阻まれ、思うような結果を残すことができなかった選手も多くいるだろう。今大会で得た評価と課題をもとに、来年、さらに飛躍する姿を見せてくれることを期待したい。
