新世代の“狂気の男”が狙うはボディビル日本トップ12 千葉から世界へ【椎名拓也#5】




2024年、JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)主催の大会での躍進を狙う椎名拓也。だが、幼少時代はさまざまな習い事に通って多くのスポーツを経験してきたように、「やりたいこと」に溢れる道を歩んできた。現在は千葉県旭市、“ちーばくんの後頭部”で生活しているが、東京へ出たいという思いもあると話す。

【インタビュー動画】声は小さい、でも夢はデッカく。今年の目標を語る椎名

東京で格闘家を目指す!?

「東京に行っていろいろとやりたいこともありますね。格闘技、やりたいんですよ。いつかデビューしてみたい。もともと格闘技が好きで、先日は元プロボクサーの竹原慎二さんの誕生日会にも参加させていただきました。ボクシング、MMA(総合格闘技)…やるなら若いうちからのほうがいいだろうし、ボディビルと2つ同時にはできないし、人生というのは難しいですね(笑)」

とはいえ、まず今年はボディビルに専念。千葉、関東、東日本と制し、ジュニア世代も卒業した彼が目指すのは、体重別の日本一決定戦「日本クラス別選手権」、無差別級の日本一決戦「日本男子ボディビル選手権」、そして昨年は3位となった「ジュラシックカップ」だ。

「今のところは、まだどこに出るか決めていません。一つかもしれないし、全部かもしれない。そこはお楽しみに。もし日本クラス別に出るなら、80kg以下級かなと思っていますが、合戸(孝二)さんからは、この先も戦っていくなら75kg以下級のほうがいいとも言われています」

いずれは世界選手権出場も視野に入れているとのことで、今年はその足掛かりになる1年になる。地元の仲間はもちろん、多くのファンが彼のステージングに大きな期待をかけることは間違いない。

「プレッシャーがあることはありますし、ストレスになったりもしますが、それがマイナスにいくことはないですね。周りの選手たちは、必ずどこかしらレベルアップして出てきますが、自分も全体的に改善はできると思うので、去年よりはデカくなってステージに立つのは保証できるかなと思います。一番は、日本選手権のファイナリスト(上位12人)になりたいです」

口数少ない、声も小さい。しかしその穏やかな笑顔の裏には、極太の芯の太さで高みを狙っている。2024年、新たなる“狂気の男”はでっカイ夢を心に抱き、大海原へと帆を進めていく。

(了)

【PROFILE】
椎名拓也(しいな・たくや)
1999年3月24日生、千葉県旭市出身。千葉県ボディビル・フィットネス連盟理事、スポーツGYMドリーム(千葉県山武郡横芝光町)のオーナーを務める。2016年の高校生選手権でボディビルデビュー。YouTubeチャンネル「美椎名(うつくしいな)」を運営中。

▼主な戦績
2016年 全国高校生ボディビル選手権 5位
2021年 日本ジュニアボディビル選手権 2位、マッスルゲート静岡大会 ボディビルジュニア&75kg以下級 優勝、クラシックフィジーク175cm以下級 優勝
2022年 千葉県ボディビル選手権 優勝、東日本ボディビル選手権 優勝、関東ボディビル選手権 優勝
2023年 ジュラシックカップ 3位&合戸賞獲得

取材・文/木村雄大