棚橋弘至&くりぃむしちゅー・有田哲平、映画『アイアンクロー』トークイベントに登場 主演 ザック・エフロンの筋肉をどう評価!?




1980年代のアメリカプロレス界で絶大な影響力を誇ったエリック・ファミリー。フリッツ・フォン・エリックを家長に、息子たちもレスラーとなり日本でも活躍したが、『呪われた一家』と言われたように家族には数々の災難が降りかかった。その実話を描いた映画『アイアンクロー』が4/5(金)より全国公開される。

それに先立ち3/28(木)、東京・kino cinema新宿にて『先行上映会』が開催され、新日本プロレスのレスラーで昨年12月社長に就任した棚橋弘至、大のプロレスファンとしても知られるお笑いタレント、くりぃむしちゅー有田哲平がトークショーを行なった。

イベントはプロレス実況アナウンサーの清野茂樹をMCとして進行。清野氏はラジオ日本『真夜中のハーリー&レイス』のパーソナリティーも務めているだけに、映画で描かれた80年代のプロレスにも精通している。3人のトークによって映画がどれだけリアルかが、それぞれの視点からわかる仕組みにもなっていた。

また、映画の感想を語り合う中で大きな話題となったのが、主役のケビン・フォン・エリックを演じたザック・エフロンのマッチョな肉体だ。

棚橋「ザック・エフロンがひたすらカッコいいです! やはりプロレスラー役の俳優さんだと(どうしても)若干細いかなと。いい体の方はいらっしゃいますけど、(結局は)細マッチョ(のまま)というイメージがある。でもこの映画に出られてる俳優さん、筋肉量が十分ついてます。ザック・エフロンがもともといい体というのは知ってたんですけど、役づくりのために相当なトレーニングとか食事に気を付けて、ワンサイズ大きくしたんじゃないかなと思いますね」

有田「ザック・エフロンは役づくりしようとがんばったと思うんですけど、ちょっとやりすぎてません? 体つくりすぎてますよね。僕らが知ってるプロレスラーのケビンの方が細くないですか?(笑)。俳優の方がレスラーを超えてますよね」

棚橋「(弟の)デビッドとかケリーは、ちょうどいい感じですけど」

清野「俳優がレスラーより体をつくるって珍しいケースですよね。とはいえ、棚橋さんの目からご覧になって、(レスラー役の俳優が)体づくりをちゃんとしてるというのは、プロレス映画としては非常にうれしいですよね」

棚橋「うれしいですね。この映画では本当にプロレスを真正面から練習し、精神的な負担やストレスをレスラーがどう感じているかとか、すごく細かいところまで描いてくれてる。現役レスラーとしては、レスラーとしての気持ちが(映画を見る人たちと)少しシェアできるんじゃないかなと思いますね」

有田「プロレス映画では、この監督さんはプロレスのこと知らないのかなとか、いい加減に描いてるなとかあるんですよ。だけどこの映画って、監督さんも含めて細かいディテールにこだわってる。選手の紹介がとくになくても、この選手はあの選手だなとか(わかる)。時代(考証)がしっかりしてるんですよね。エリック側だけなんとかやっておけば相手がざっくりしたレスラーでもいいのに、ちゃんと似せてるじゃないですか。ベルトの形も含めて。すごいこだわってるのがわかりますよね。(ダラスの本拠地の)会場もそっくりらしいですもんね。そういうのも細かくやってますよね」

清野「プロレスシーンは(プロレスラーの)チャボ・ゲレロJrが監修したとのことですが、プロの目から見ていかがでしたか」

棚橋「受けがしっかり取れてて、新日本プロレスで引き抜きたいくらい(笑)」

有田「いくらかかるんですか!?」

清野「すごいことになってきましたが、棚橋さんは、試合シーンは厳しく見るんじゃないですか」

棚橋「ロックアップで組むときの足の運びとか、腕の取り方。右腕を取るのか、左腕を取るのかとか、そういうところですね」

有田「あの映画でそういうところを見てたんですか!? そこ、全然見てなかったです(笑)」

棚橋「ヘッドロックに取るとバックを取られてバックドロップで投げられやすいので、僕らはヘッドロックでは相手と向かい合うんですね。そうするとバックを取られずに、うまく頬骨を絞れる。(映画では)全然不自然な感じがしなかったです」

有田「細かいところまで指導があったんですね、きっと」

棚橋「そう思いますね」

清野「足の運びを見るというのが、さすがプロの仕事ですよね」」

有田「みなさん、別に(足の運びを)見なくても大丈夫ですよ(笑)」

棚橋「エリック・ファミリーが悲劇の一家だとこの映画では謳われてますけど、本当に悲劇かどうか、みなさんの目で判断してほしいと思います」

有田「プロレスファンなら絶対に見てほしいと思いますし、そうでない方も(見てほしい)。こんなことが実際に、現実にあるんだと知ってもらうのもいいと思います。(実際の出来事を)なんとなくわかったうえで見てもたくさんの発見があるし、いろいろと細かい楽しみ方もできると思いますので、最後の最後、クレジットが全部終わるまで見逃さないようにしていただきたいと思います」

取材・文・写真/新井宏