女性や中高年にもうれしい効果 ボディメイクだけではない筋トレの利点【春の筋活超入門】




気温が少しずつ上がり、体を動かしたくなるこの季節。フィットネスブームで急増するジムに入会を考えている人も多いのではないでしょうか? 今回は春の筋トレ入門企画として、ジムやパーソナルトレーナーに対する初心者の疑問を解決していきたいと思います。答えてくれたのは、長年にわたってパーソナルトレーナーとして活躍されている大長武史さんです。まずは筋トレをすることで得られるメリットのお話です。

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ダイエットのために筋トレをはじめる女性が急増

筋トレブームが起こった大きな要因のひとつには、筋肉をつけることがダイエットに効果的であるという情報が浸透したことが挙げられるでしょう。

かつてはダイエットと言えば有酸素運動がメインでしたが、現在は筋量アップによって基礎代謝を高め、脂肪が落ちやすくリバウンドしにくい体をつくることが効果的という考えが広まっています(もちろん有酸素運動も脂肪を燃焼させるのには効果的です)。

ダイエットの延長として、「ボディメイク」という価値観も生まれました。脂肪を落としながら、男性なら筋肉隆々なカッコいい体、女性ならメリハリのある美ボディを目指せるのです。筋肉は中高年になってからでも肥大するので、いつからはじめても遅いということはありません。

また、ごく最近の研究では、筋トレにはマイオカインの分泌により皮膚を若返らせるなど筋肥大や脂肪減少以外にさまざまな効果があることもわかってきています。これも女性のモチベーションを高める情報と言えるでしょう。

また、筋肉がついて体を動かしやすくなれば、日常的な活動量も増えて心も元気になりやすいでしょう。自信がついて物事にアクティブに挑戦できるようになるなど、精神面へのメリットも大きいと思います。

中高年になると筋量はどんどん低下し、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)、サルコペニア(加齢性筋減弱症)、フレイル(加齢により心身が衰えた状態)といった問題を引き起こす可能性があります。筋肉博士と呼ばれる石井直方・東京大学名誉教授によると、脚の筋肉は何もしなければ30歳から80歳で平均1%ずつ減るそうなのですが、脚をしっかり鍛えておけばそれらを予防することができるでしょう。

もちろん若い方も筋力を高めておけば加齢による筋力低下を遅らせることができるので、早いうちから筋トレを習慣にしておくのはプラスになると思います。

トレーニングをがんばっていると、その効果を少しでも高めるために自然と食事にも意識が向きますので、相乗効果で健康状態も良くなっていくことが期待できるでしょう。

3か月も続ければ、何らかの変化を体感できると思います。見た目を磨くだけではなく、トータルで見た筋トレの好影響をぜひ実感してみてください。


大長武史(だいちょう・たけし)
1968年1月17日生まれ。1993年にスポーツクラブでトレーナーデビュー。1996年にはボディビルMr.サンプレイ新人の部優勝、東京都ボディビル選手権新人戦70kg級準優勝の成績を残す。2000年から本格的にパーソナルトレーナーとして活動を開始。GOLD’S GYM公認パーソナルトレーナー、NSCA CPT パーソナルトレーナー、日本ボディビル連盟公認一級指導員などの資格を取得。2002年より、しんそう療法(治療術)を学びはじめ、智聖流野口整体、仁武会活法療法、BHS療法(手技療法、エネルギー療法、催眠療法)も習得。パーソナルトレーナーと治療術家の二刀流で活躍中。

取材・文/森本雄大