ジムで100kgのバーベルを扱う女子も 筋トレ人気の追い風は止まらず【春の筋活超入門】




コロナ禍を機に人々の健康への意識が向上し、健康目的でフィットネス、筋トレを行なう人も多くなってきています。長年にわたってパーソナルトレーナーとして活躍してきた大長武史トレーナーは、そんな時代の変化をどう感じているのでしょうか。

【動画】高重量で下半身を追い込む! 筋トレ女子ふたりの合トレ

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風向きを変えたのは女性のトレーニング人口増加

この10~20年間でトレーニング界は劇的に変わってきています。

街には当たり前のようにジムがあり、コンビニに行けばタンパク質含有をうたった食品が置いてあり、パーソナルトレーナーはもちろん、筋肉系YouTuberという仕事も成立しています。

昔もトレーニングブームのようなものはありましたが、ここまですごい時代が来るというのは予想していませんでした。このトレーニングブームは新型コロナの流行を経て、さらに拍車がかかっているようにも感じます。

時代の変化の一番の要因は女性のトレーニング人口の増加でしょう。以前は女性のジム通いと言えばエアロビクスなどのスタジオプログラムの受講でしたが、今はフリーウエイトエリアでも女性の姿をよく見ます。中には100kgを超えるような重量のバーベルやダンベルを扱っている方もいて驚くばかりです。

マシンの進化も素晴らしいものがあります。かつてはマシンのメーカーも限定的でしたが、今はさまざまなメーカーが多彩な商品を開発しています。この一台ですべてOKというわけではありませんが、昔より一つひとつが精巧に、また解剖学を活かしたつくりになっています。

私は基本的にはフリーウエイトを勧めていますが、フリーウエイトで全身を完璧に鍛えられるわけではありません。足りない部分をマシンで補うと効果的なのですが、それが非常にやりやすくなったと思います。

各トレーニング種目においても、時代の流れを感じることがあります。とくに目立つのはスクワット。かつてはパラレルやクォーターで行なうのが主流でしたが、今はしっかりしゃがみ込むフルスクワットに取り組む人が目立ちます。

臀部・大腿部にストレッチや負荷をしっかりかけることでトレーニング効果を高めるという考え方も浸透しているのでしょう。

最近はYouTubeなどにもトレーニングに関するいろいろな動画がアップされています。また、食事や栄養に関する情報も豊富です。すべてが正しいかどうかはわからないので真偽を見極める目は必要だと思いますが、そういった情報面でもトレーニング環境は昔よりも良くなっていると言えます。

こうした背景から、昔に比べてボディメイクが効率良く行なえるようになってきていると言えるでしょう。


大長武史(だいちょう・たけし)
1968年1月17日生まれ。1993年にスポーツクラブでトレーナーデビュー。1996年にはボディビルMr.サンプレイ新人の部優勝、東京都ボディビル選手権新人戦70kg級準優勝の成績を残す。2000年から本格的にパーソナルトレーナーとして活動を開始。GOLD’S GYM公認パーソナルトレーナー、NSCA CPT パーソナルトレーナー、日本ボディビル連盟公認一級指導員などの資格を取得。2002年より、しんそう療法(治療術)を学びはじめ、智聖流野口整体、仁武会活法療法、BHS療法(手技療法、エネルギー療法、催眠療法)も習得。パーソナルトレーナーと治療術家の二刀流で活躍中。

取材・文/森本雄大