サラリーマンから“意識低い系”まで ライトユーザーのパーソナルトレーニングはアリ?ナシ?【春の筋活超入門】




初心者のトレーニングへの疑問を解決する本企画。マンツーマンでしっかりとトレーニングを見てもらえるパーソナル指導ですが、「趣味程度でやりたい」という要望にも応えてくれるのでしょうか。ライトユーザーのニーズについて大長武史トレーナーに聞きました。

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パーソナル指導はライトユーザーにもメリットあり

現在はボディコンテストが盛んになっていますが、筋トレをする人全員がそれを目指しているわけではないでしょう。むしろ「そこまで本気なわけじゃない」、「趣味程度の気持ちでやっていいのか」と思ってジムに足が向かない人も多いかもしれません。

結論から言うと、そういったライトユーザーの方にもジムに行ってほしいですし、パーソナルトレーニングを受けることもおすすめします。まずパーソナルトレーニングはクライアントの意思を尊重するのが基本なので、メニューの強度や頻度、目指すところなど、ニーズに合わせた指導を提供します。

また、トレーニングの進め方も自由なので、少しずつレベルを上げていくこともできます。それでも食事指導なども合わせて受ければ、比較的短期間で確実に体が変わっていくことを実感でき、モチベーションも上がってくるかもしれません。実際、長年にわたって筋トレを敬遠していた人が、ある時から「筋トレが趣味です」と言うようになるのを何度も見てきました。

忙しいサラリーマンの方にお伝えしたいパーソナルの利点は、「計画通りにトレーニングができること」です。普通のジムでは、混雑具合によって目的のマシンが空いていないこともあり、メニューの変更を余儀なくされたり、待ち時間が増えたりしてしまいがちです。

しかし、パーソナルトレーナーは空いている機材で適切な指導を行なうので、そうしたデメリットがなくなります。パーソナルジムであれば、なおさら計画通りに進めることができるでしょう。この点はあまりスポットが当たらないのですが、時間が無駄にならない大きなメリットであると思います。

別の回でもお伝えしたように、私のクライアントにも目的意識や目標がある訳ではない、ただ楽しくトレーニングしたい、楽しい時間を共有したい、などでいらしていただいている方々も多く存在します。考えはさまざまですが、私はそういった方々に目標設定を強要しません。楽しくトレーニングを続けるというのも、幸福な人生を送る上で大切なことだと思うからです。

ひとりで行なうトレーニングは寂しいという方も、トレーナーと会話をしながら楽しく取り組めます。コミュニケーション能力などトレーナーの人間性が重視される背景には、そうしたユーザーのニーズが反映されているのかもしれません。

ということで、「趣味程度」のパーソナルトレーニングを楽しんでいる人を私はたくさん知っているので、それは大いにアリだと思います。


大長武史(だいちょう・たけし)
1968年1月17日生まれ。1993年にスポーツクラブでトレーナーデビュー。1996年にはボディビルMr.サンプレイ新人の部優勝、東京都ボディビル選手権新人戦70kg級準優勝の成績を残す。2000年から本格的にパーソナルトレーナーとして活動を開始。GOLD’S GYM公認パーソナルトレーナー、NSCA CPT パーソナルトレーナー、日本ボディビル連盟公認一級指導員などの資格を取得。2002年より、しんそう療法(治療術)を学びはじめ、智聖流野口整体、仁武会活法療法、BHS療法(手技療法、エネルギー療法、催眠療法)も習得。パーソナルトレーナーと治療術家の二刀流で活躍中。

取材・文/森本雄大