【フルコンタクト空手】流派を越えた体重別決戦が大阪でスタート 日本一を争う女子ベスト4、男子ベスト8が決定




直接打撃制で争うフルコンタクト空手の体重別全日本選手権「第9回全日本フルコンタクト空手道選手権大会」(以下、第9回JFKO全日本大会)が5月25日より2日間、エディオンアリーナ大阪で開催されている。

文部科学大臣杯も冠された格式高い舞台において、男女ともに軽量級、軽中量級、中量級、軽重量級、重量級の各5階級で覇を競う今大会。大会初日となった25日は4コートで熱戦が繰り広げられ、決勝日に駒を進める男子ベスト8、女子ベスト4の選手が決定した。ここでは男女各階級の模様をお届けする。

【フォト】男女最重量階級での熱い試合風景

男子

男子重量級、初日最終試合

男子重量級では昨年の重量級チャンピオンである渡辺優作が最終ゼッケンを背負い、スピード感あふれる組手で決勝日に歩を進めた。そこに追随するのはトーナメントの四隅に名を連ねた後藤優太、多田成慶、多田大祐といった実力者たちだ。遠田竜司、土橋立弥、岡田侑己、江口雄智もベスト8へ進出した。

順当に事が進む階級もあれば、波乱が起こる階級もある。男子軽重量級では第7・8回大会で軽重量級3位の実績を持つ最終シードの髙橋佑汰が、三回戦で金岡陽大に破れる波乱が起こった。第7回大会準優勝の渡辺和志、髙橋扶汰、片桐大也、鳥原隆司、早川羅偉、古本翔基、髙橋耕介もベスト8を決めた。

男子中量級はシード選手が盤石な強さを見せる。いずれも過去にJFKO全日本大会で入賞実績を持つ吉澤穂高、福地勇人、後迫龍輝、石野源太郎、田中裕也は最終日にどのような闘いを見せてくれるのだろうか。さらには日下部尚人、塚本慶次郎、藤田春人も2日目に進んだ。

軽中量級は昨年の同階級チャンピオンであり、文部科学大臣杯を手にした平木楓が順当に勝利を収めた。さらに大坪裕希、小西佑哉、呉屋広樹、大橋伊織、前平斗真、深沢優斗、井上龍成がベスト8に名乗りを上げた。大橋は第8回大会軽中量級3位の福永匠真を破っての勝ち上がりであり、2日目の勢力図にも注目だ。

男子軽量級は前回大会王者である澤井天心が、初日の全試合で本戦勝ちを収めて好発進を決めた。第6・7回大会の軽量級を連破している魚本尚久真は順当に2日目に進出。第6回大会で準優勝、第8回大会で3位と軽量級で実績を残す紅谷凱も決勝日に歩を進めた。シードの一角である郷遼久がケガで欠場となったブロックは新里誠光が勝ち抜き、ベスト8枠は上記に冨山未来斗、新田真季人、山川慧大、手島一翔を加えた面々で固まった。

女子

女子重量級、初日最終試合

女子重量級は、新極真会第13回世界大会で18歳ながら優勝をはたした鈴木未紘が強さを見せて2日目へ。同じく世界大会で活躍した漢藍理と藤原桃萌、さらに桜塾の小林由依菜も最終日への切符を手にした。

先述の鈴木に次ぐ世界大会準優勝の網川来夢がエントリーした女子軽重量級は、波乱含みの展開となった。シードの鴨宮菜々花が顔面殴打により失格となり、ベスト4の一角が欠ける事態に。その中で“高速パンチ女子大生”の愛称で人気を博している目代結菜、過去に重量級で4回、軽重量級で1回の優勝を誇る久保田千尋、さらには篠原智美が決勝日に進出。同じく勝利した網川とともに最終日を争う。

女子中量級は前回大会のベスト4が不在なこともあり、予測が難しい展開となった。その中で活躍を見せたのが前回大会軽中量級女王の水谷恋だ。階級アップで新たな境地に挑む。水谷の対抗に座った冨村日花を漢鈴那が破るというサプライズとともに、JFKO青少年大会を連覇中の細谷誉、井上ほの花といった選手もベスト4に名を連ねた。

女子軽中量級のベスト4は石野まこと、水谷藍、小嶋夏鈴、富野真麻。石野と冨野は過去にJFKO全日本大会でチャンピオンに輝いており、盤石な強さを見せたと言っても過言ではないだろう。2日目にどのような激戦が展開されるか期待が高まる。

女子の中で最多のエントリー数となった軽量級。森みいな、清水由埜、山中咲和、澤井ナノといったいずれも10代の選手がベスト4に進出した。森と清水は前回大会の決勝でも対戦しており、今年も再戦が実現するのか注目したい。

今大会はWFKO(全世界フルコンタクト空手道連盟)が主催する『第1回全世界フルコンタクト空手道選手権大会』(以下、第1回WFKO世界大会。2025年5月31日~6月1日開催、有明アリーナ)の日本代表選抜戦も兼ねており、男女の各階級上位3名が世界大会の代表に選ばれる。

体重別の世界一を決める第1回WFKO世界大会は、コロナ禍の影響で2度の延期の末に中止を余儀なくされた背景がある。JFKO全日本大会2日目は各選手が世界大会の代表権を目指して一心不乱に闘いに臨むだろう。

代表権争いのため、全階級で3位決定戦がマストとなっているのも今大会のトピックス。最後まで目が離せない熱い決勝日になることは必至だ。階級別日本一の称号、そして世界への切符を手にするのは誰になるのか。その結末に注目したい。

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