新体操、ソフトボール、クライミングと多彩な競技歴を持つ大嶋あやのさん(30)。彼女の名を広めたのが人気番組「SASUKE」での活躍だ。2022年には日本人女性として24 年ぶりに1stステージをクリアし、そのパフォーマンスで見る者を魅了した。明日13日放送の女性版SASUKE「KUNOICHI」にも出場予定であり、活躍に期待がかかっている。
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2024年、そんな彼女に追い風が吹く。クライミングでのパリオリンピック出場は残念ながら逃したが、SASUKEがルーツの障害物レース「オブスタクルスポーツ」がロサンゼルスオリンピックの正式種目になることが決定したのだ(近代五種で馬術の代わりに採用)。
それを受けて10月に開催された「第1回オブスタクルスポーツ(OCR100m)日本選手権」に出場した大嶋さんは、培ってきた身体能力の高さを見せつけた。数多の障害を突破し、クリアタイムは1:07.36。2位の選手と15秒近く差をつけ、見事に初代日本女王に輝いた。
「オブスタクルスポーツは次の日に尋常じゃない筋肉痛が来るほどハードでした。長い雲梯を腕の力だけで進む種目では、手の皮がむけてしまうんです。それを瞬間接着剤で固めるんですけど、そうすると固めた箇所の隣がむけてしまったりして、それはキツかったですね。競技の難しさを痛感しました」
走る、飛ぶ、登る、つかむなどさまざまな動きが求められるオブスタクルスポーツ。全長100mの中に複数の障害物があり、中には腕だけで進む雲底や吊り輪などの障害もある。そんな中では予期せぬアクシデントも起こり得る。
タイムトライアルでもあるため、的確に判断しながら速度を追い求めていくことも求められる。
そんな競技で戦える肉体をつくるため、大嶋さんは日々のフィジカル強化、ケアに余念がない。ウエイトトレーニングでの筋力アップはもちろんのこと、公園で障害物を想定しての動きの練習、さらにメンタル強化も実施。加えてストレッチを取り入れ、急激なテンションに耐えうる柔軟性の獲得や疲労除去などにも取り組んでいる。
30歳という年齢からも近代五種に挑む予定はないが、初代女王となったオブスタクルスポーツへの思いは強い。
「日本で何連覇できるかに挑戦したいです。次回の日本大会がいつになるかはわからないですが、そこまでにまた自分を高めていきたいです。オリンピックを目指す選手のコーチもしているので、育成の面でも力を入れていきたいですね」
SASUKEの経験も活かせる舞台が誕生したことで、マルチアスリート・大嶋さんの名がさらに知れ渡る日も近いのかもしれない。