高身長バルク派に対抗し得るのは圧倒的な完成度! 超バランス派の逆襲~喜納穂高(後編)【筋肉マニアのビルダー解体筋書】




YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、喜納穂高選手の後編です。
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【写真&動画】ジュラシックカップで存在感を見せた喜納穂高

完全無欠に思えた男の弱点

団体移籍後、瞬く間に成績を上げ、一躍トップビルダーの仲間入りを果たした喜納選手の快進撃は、2023年も止まりませんでした。日本クラス別80kg以下級では、先週の「解体筋書」でも紹介した“バルクモンスター”寺山諒選手とファイナリストの常連である高梨圭祐選手を下して、堂々の優勝。日本選手権では、昨年の11位から一気に順位を上げ、5位入賞。シーズンラストとなるジュラシックカップでは、ライバルである杉中一輝選手や吉岡賢輝選手を抑えて初代王者に輝きました。

これほどまでに盤石で高い評価を得ている理由は、完全無欠とも言える弱点のなさです。欲を言えば、背中の広がりや上腕のサイズがもう少しあればなお良いですが、仕上がりやポージングについても減点対象が非常に少なく、総合力が卓越していることは明らかです。弱点のなさであれば、相澤隼人選手に対抗し得る唯一の存在と言えるほどでしょう。

2024年の日本選手権は、非の打ち所のない肉体と鰻登りの成績から、優勝が期待されていましたが、結果は7位。凄まじい新世代の勢いに、喜納選手は飲み込まれる形になりました。高身長バルク派と呼ばれる大型ビルダーがトップ層を席巻したことで、それまで完璧と思われた喜納選手の弱点が浮き彫りになりました。それは、インパクトです。刈川選手や扇谷選手等の強烈なインパクトを持つビルダーと横並びになった際に、喜納選手は自身を際立たせるアピールポイントに欠けていたように感じます。

ただ、個性派の選手と比較しても「完成度の高さ」は依然として喜納選手の強みであり、全体の筋肉量や仕上がりがさらにレベルアップすれば、日本王者も現実的なのではないかと思います。寧ろ、抜群のプロポーションがより強化されるのであれば、かつて日本選手権9連覇を成し遂げた鈴木雅選手のような絶対王者になってしまうかもしれません。

今回は喜納穂高選手について紹介させていただきました。現代版プロポーションビルダーの代表として激戦の時代をどのように攻略していくのか非常に楽しみですね。

次回は、プロポーションと重厚感を併せ持つ福岡のハイブリッドビルダーについてお話しします。お楽しみに!

▶次ページ:喜納選手のステージフォト&ムービー

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