“回転式ボディーアタック”が大バズり! アイドルレスラー・瑞希の超絶テクが生まれた理由




現在、東京女子プロレスの最高峰『プリンセス・オブ・プリンセス』王座に君臨しているのは瑞希、である。

女子プロレスラーとしてはかなり小柄な部類に入る彼女だが、いざ試合がはじまると奇想天外な空中殺法や、コーナー最上段からズバッと突き刺さる(時には場外に倒れている相手に向けての超急降下弾も!)ダイビングフットスタンプなど、ダイナミックな試合展開で小ささをまったく感じさせない。まさに唯一無二の存在、なのである。

写真提供/東京女子プロレス

【動画】まさに魔法のような技 瑞希の『渦飴』が炸裂

とはいえ、頂点にたどりつくまでは苦難の連続だった。タッグ戦線では坂崎ユカ(現在、アメリカのメジャー団体・AEWで活躍中)という最高にして最強のパートナーとめぐり逢えたことで、長きに渡りチャンピオンベルトを巻き続けていたが、シングル戦線ではなかなかチャンスがつかめない。どんなにがんばっても王座挑戦までで、何度、挑戦してもベルトには手が届かないでいた。

小さな体のせいでベルトが獲れないのであれば、がっつり筋肉をつけてパワーファイターに転身するしかない。一度はそう腹を括った瑞希だったが、実行する寸前にそれが間違いであることに気づいてしまった。

アスリートとしてはここで肉体改造に取り組むことは大正解、である。だが、プロレスラーとしてはどうか? 小さい体でスーパーヘビー級を相手にしても負けないような闘いを魅せることは瑞希ならではの個性。そんな個性に惹かれて応援してくれているファンもたくさんいる。ここでマッチョボディーを手に入れて、もしチャンピオンになれたとしても、せっかくの個性は消失してしまう。せっかくの唯一無二の存在が、ほかのプロレスラーとなにも変わらなくなってしまう。

肉体改造計画を白紙に戻した瑞希は考えに考えた末、小さな体を逆利用して、誰にもできないような凄技を開発する道を模索することに。頭の中に技の概要は浮かんだが、誰もやったことがないから、どうやって会得したらいいのかもわからない。道場にこもって何度も何度も練習するが、なかなかうまくいかない。飛び技の開発なので、失敗するたびに全身をマットに叩きつけることになる。痛い、辛い、先が見えない。でも、技が完成しないことには今、ぶち当たっている壁を乗り越えることができない。毎日、泣きながら、瑞希は猛特訓を続けた。

そうして編み出した秘技が『渦飴』である。いわゆるフライングボディーアタックの変形なのだが、相手に当たる直前に全身をクルクルと回転。つまり回転しながら相手にぶつかっていく……文字で説明するのがめちゃくちゃ難しい技なのだが、動画だったら一目瞭然。この技を切り抜いたショート動画は世界中で大バズりし「いったいなにがどうなっているんだ?」という驚きの声がプロレス業界をかけめぐった。

まさに魔法のようなテクニックを手に入れた瑞希は、ついに悲願のシングル王座を獲得。一度は陥落したものの、今年の正月に返り咲き、現在、防衛ロードを激走中だ。7月21日に大田区総合体育館で開催されるビッグマッチでは、元SKE48・荒井優希のチャレンジを受ける。体の大きさでも、現在の勢いでも荒井優希が優勢という状況下で瑞希はどんな闘いを魅せてくれるのか? 女子プロレスを見たことがない人でも一瞬で魅了されてしまうような華のある闘いになることは必至、である!

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