40周年を迎えた“世界の超獣” アジャコング、ヒザ手術からの怪物的復活劇




2021年の秋、アジャコングは右ヒザの手術に踏み切った。

「コロナ禍だったことも大きいかも。あの時期、コロナの影響で試合数が減っていたし、緊急事態宣言でまるまる中止になることもあったでしょ? だから半年休んでも、10数試合だけ出られなくなるだけだ、と思ったら、そんなに長い休みにも思えなくなってきてね」

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そして、ここからがアジャコングの怪物っぷりの炸裂、なのである。

「手術をした翌日には、もう痛みがなくなっていて、普通に立っていた(笑)。しばらく入院してリハビリをしなくちゃいけないって話だったけど、2週間ぐらいでもうやることがなくなったという理由で早期退院ですよ、アハハハ!

もちろん、そのあとも復帰に向けて、しっかりとリハビリを続けたんだけど、10月に手術して、2月とか3月にはもう試合ができる状況にはなっていたから、まぁ、4か月ぐらいで本当は復帰できた。ただ4月に後楽園ホールでの試合が決まっていたので、ちょうど半年になるし、せっかくだから後楽園で、と。

復帰戦には主治医と執刀医も会場に来てくれたんだけど、ふたり揃って腰を抜かしたみたいだよ。ゴングが鳴った次の瞬間に、右足で相手を蹴って、吹っ飛ばしたもんだから『いま、右足で蹴ったよな?』『どうなっているんだ?』と(笑)。試合後、心配して控室に飛んできて『大丈夫か?』と聴かれたけど、本当になんともなかったので、そう伝えると『じゃあ、もう心配ないね。あと10年は大丈夫だ」って。

そのとき、思わず聞き返したよ。『えっ、10年しか持たないの?』って(笑)。そうしたら主治医が『いや、そういうことではなくて、プロレスラーでその手術を受けて10年以上、闘った前例がないから、そう伝えただけだ。本当は痩せなさいと言いたいけれど、君のキャラクターじゃ無理だろうからね(笑)』と。じゃあ、私が10年以上、現役を続けて前例をつくりますか!」

とはいえ、右ヒザの不安がなくなっただけで、すべて解決という話でもない。

「武藤さんがそうでしたけど、ヒザがよくなっても股関節が悪くなると、また厳しい状況になる。そう思っていたら、最近、股関節に違和感を覚えるようになって、あぁ、ついに来たのか……と思って病院に行ったら『あぁ、これは生まれつき骨のかみ合わせが悪いだけだね。大丈夫ですよ』だって(苦笑)。

こっちとしては40年間、闘ってきたダメージによるものだと思いこんでいたのに、えっ、生まれつき!? なぜ、それを55歳を超えてから、はじめて知るわけ?ってなるでしょ。まぁ、よかったですけどね、プロレスラー生命にかかわるようなことではなくて」

こうしてアジャコングはリングに復帰し、4年経った今でも元気に闘い続けている(#3に続く)。