「駅のホームで休まないと電車に乗れないくらい」乳がん手術後に体力が低下 47歳・看護師が振り返る運動再開からの約10年




女性の健康的な美しさを競う『Pursuit Japan』(8月9日開催)に初出場し、カテゴリー優勝をはたした岸ゆきこさん(47歳)。今から約10年前、岸さんには生活を見つめ直す大きな出来事があった。乳がんが見つかったのだ。

写真提供/本人

【写真】病を乗り越えた岸さんの自然体美ボディ

「早期発見、早期治療ができたので転移もなく、手術をして、放射線治療をして終わりました」

取材時点で手術から10年目。これまで再発や転移もなく過ごせているという。しかし、当時の入院生活を経て実感したのが、筋力や体力の大きな低下だった。

当時について「階段を上った後、駅のホームで休まないと電車に乗れないくらいになりました」と振り返る岸さん。そこで再開したのが、以前取り組んでいた社交ダンスだった。まずは体を動かし、体力をつけたい。ふたたびダンスを始めると、取り組みの中でボディコンテストの存在を知った。そうして筋トレにも取り組むようになったのだ。

食生活への意識も変化した。もともと健康への意識が高い家庭で育ったものの、それまではお菓子やスナック菓子、ファストフード、ラーメンなども普通に食べていた。

「そのあたりから食事をさらに気をつけようかなと思って。きっかけはそのあたりですかね。病気をしたのがきっかけで見つめ直しました」

それから約10年。野菜や大豆製品、魚などを中心とした食生活を続け、現在はジムにも通う。大会へ出場することも生活の一部となった。

仕事では21歳から看護師として働き続け、26年のキャリアを持つ。仕事とトレーニングの両立に、持ち前の前向きな性格が一役買っているようだ。

「私、すごくポジティブというか、前向きなんですね。嫌なことがあっても、すぐいいように変換しちゃいます」

写真提供/本人

無理な人付き合いをせず、好きな人たちと過ごす。やりたいことを楽しむ。そうした姿勢がトレーニングを続けるうえでも支えになっている。大会へ出場するようになってからは、トレーニングやコンテストを楽しむ仲間も増えた。

「大会に出てから仲良くなった人は、本当にみんな前向きなので、ストレスをためたり、落ち込んだりしている時間がないというか」

そして自宅へ戻れば、待っている存在がいる。普段は2匹の犬と暮らし、取材時は友人から預かっている1匹を加えた3匹と生活していた。大会の日は朝早くから家を空けるため、ステージを終えると愛犬たちのことが気になるという。

「大会が終わると『早く帰ってあげなきゃ』という感じです。帰って癒されて、結果を報告するみたいな感じですね」

大会のためだけに生活を変えるのではなく、日々の中で健康的な習慣を重ねていく。病気を経験し、ふたたび体を動かし始めてから約10年。岸さんにとっては運動も大会への挑戦も、今では日常の一部となっている。