4月8日(土)、有明アリーナで開催されたプロボクシングイベント「PRIME VIDEO PRESENTS LIVE BOXING 4」。キックボクサーとして42戦無敗。神童と謳われた那須川天心のプロボクサーデビューは、判定勝ち(59-53、60-53×2)という結果となった。ここでは、試合直後の那須川のコメントをお届けする。
――試合を振り返っての感想からお願いします。
「やっぱり課題がいろいろありますよね。ただパンチをほぼもらわず、動きはスピード的にもよかったですし、空間把握もできました。警戒しすぎたというのも大きかったですね。これを機に、もっと倒せるように自分を磨いていきたいと思います」
――かなりパンチも当てていて、4Rではラッシュをかける場面もありました。一気にもっていきたいと思ったのでしょうか。
「思いましたね。よくボクシングを見ていてスタンディングでKOというのがあったので、ここでまとめようと思ったんですけど、ストップがかからなかったのでマジかと思って。だから1回様子を見たりしました。いろいろな経験ができたので自分の中ではよかったですけど、課題は残ります」
――髪が大分短くなりましたが、初心に戻ってということでしょうか。
「古いかもしれないですけど、日本人が気合いを入れるといえば坊主かなと思って。あとはスポンサーにもついてもらえるように、新人ということでいきました」
――初めてのボクシングの実戦ということでいかがでしたか。
「すごくコントロールできたなというのがありますし、やりながらこういう動きでも闘えたとか、もっとこういう風にしないとなというのを確認しながら闘えました。すごく楽しかったですね。周りもよく見えて雰囲気を変えることもできましたし。今までやってきたことのすり合わせをしながら試合をしていた感じでした。緊張もプレッシャーも全然なかったので、のびのびやることができました」
――最後、6Rを迎えた時の心境はいかがでしたか。
「倒したいなと思いましたけど、やっぱりセコンドも『行くな』じゃないけどタイミングでという感じだったので。そこはしっかりしつつ、もらわないというのをとにかく意識してやりました」
――実際、与那覇選手の攻撃がよく見えているように見えました。
「攻撃は見えましたね。ほぼ全部見えたかなと思います。顔へのパンチもほぼもらっていないのでダメージもないですし、顔が命なのでそこはもらわないようにしていました(笑)」
――第2Rではボクシングで初めてのダウンを奪いました。振り返っていかがでしたか。
「あれはダメージがすごくあったわけではないと思うんですけど、あれでもダウンになるんだと自分でもびっくりしました。キックボクシングだったらスリップ扱いでそのまま続行するパターンもあったと思いますが、これがダウンになるなら自分も気をつけないとなと思いました」
――試合に向けて攻撃の手数を増やすと言っていましたね。その成果は出ましたか。
「いい部分や課題が本当に見えたので、みなさんにはこれが那須川天心の一番強い姿とは思ってほしくないですね。つねに次を考えていきたいと思います。本当にボクシングをやって約半年なので、まだまだ自分の中でも可能性を感じています。早くボクシングをしたいという欲があります」
――フックやワンツーなど、いろいろなコンビネーションを使って崩しているようにも見えました。
「いろいろ引き出しは見せられたと思います。ワンパターンだけでなく外にまわったり、いろいろなことを使ってみました。自分の中で余裕というわけじゃないですけど、相手のことはよく見えていたなと思います。今後は倒しきるという目標を持って、パンチの強化をしていきたいと思いました」
――公開スパーリングの時よりトリッキーな動きなど、闘いに遊び心があるように見えました。スパーリングの時はあえて隠していた?
「このタイミングだったらできるなとか、これだったら大丈夫だなということを考えながらやっているのかなと思います。やっぱりお客様がいての格闘技だと思うので、会場を沸かせるマインドを持ちながら闘えたかなというのはあります。自分の中で余裕はありましたが、余裕だけを見せるのではなく、倒せるものをもっと磨けばさらに武器になるなと感じました」