【試合後コメント】「『那須川天心やるじゃん』と思ってもらえたと思います」




――試合中イスに1回も座らなかったと思います。1Rでイスを用意されましたが、座らずそのまま続行しました。

「あれは本当にクセですね。キックボクシングの時に1回も座ったことがないんです。キックの時もコーナーに戻って座らないのは本当にクセなので、そのまま出ちゃった感じですね。さっきAmazon Primeのインタビューでも言われましたけど、言われてみれば確かにと思いました。座ったほうがいいんですかね。リングチェックの時もイスを出されて『これって座るんですか』みたいな話になって『基本座るよ』と言われて、わかりましたという話になったんですけど、試合になるとクセで立っていましたね」

――6Rが終わってもあまり息が上がる様子はありませんでした。練習の賜物でしょうか。

「6Rはそうですね。やっぱりここがゴールじゃないからなと。8回戦、10回戦、12回戦とやっていける選手じゃないといけないと思うので、バテるというのはよくないと思っています。この試合だけを見て練習していないので、まだまだ闘えたなという余裕や自信はありました」

――初戦を勝つことができました。2023年はどこまで到達して今年を締めたいというビジョンはありますか。

「とりあえず強くなることですよね。こうやって日本ランキング2位の選手を相手に、内容ではほぼパンチをもらわずダウンを取って勝つことができたので、ボクシングの選手としても『那須川天心やるじゃん』と思ってもらえたと思います。周りを期待させるようなカードをちゃんとやっていきたいですよね。やっぱりデビューで外国人選手とやるかなとみんな思ったかもしれないですけど、僕の覚悟や意思で日本人の選手と闘わせてもらったので。自分の気持ちを見せられたと思います。今後はもっと強い選手とやって、ベルトを獲りたいという思いがありますね。そうしたらみんな認めてくれると思うので、そこですかね」

――今回で日本ランキングに入ると思うので、日本タイトルは近々に?

「わからないですね。でも強い選手とやっていかないと意味がないと思っています。強い相手と闘って勝っていくのが格闘技だと僕は思うので、しっかりと覚悟を見せていきます」

――ボクサー転向にあたり、体づくりやトレーニングの面で意識したことはありましたか。

「環境や自分の感覚など、もう全部が変わりましたね。感覚的にキックでよかったことがだめなこともあるし、キックでだめだったことがボクシングではよかったこともあります。そこの取捨選択をたくさんしてきたという感じですね。まだ完璧にできているわけではないので、そこを突き詰めていくのが今後の課題かなと思いました」

――あまりよくなかった点とは、どういった点でしたか。

「よくないというわけではないんですけど、もうちょっとこういうタイミングでパンチが打てるなとか、もっとこのタイミングで攻めないといけないなとか。ポイントの動きの部分ですね」

――今後トレーニングの面で、変えてきたい点はありますか。

「今やってきたことが間違いではないということが今回の試合でわかったので、それにプラスしていくということですね」

――最後にファンのみなさまにメッセージをお願いします。

「みなさん、はじめましてですかね。こうやってボクシングデビューすることができました。しっかりと勝って第2章開幕ということで、今後も那須川天心という船にみんなで乗って応援していただけたらうれしいなと思います。今後ともよろしくお願いします」

文・写真/森本雄大

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