年々レベル向上の東京ノービス「新たなスター出現の可能性を感じた」【JBBF・辻本俊子専務理事の視点】




5/3(水・祝)、東京・北とぴあにて「第31回東京ノービスボディビル選手権大会」が開催された。もともとは新人戦として産声を上げた東京ノービス(古称:東京オープン)だが、年々レベルが高まりハイレベルな熱戦が展開されている。今大会には約200名の選手がエントリーしただけでなく、声援の解禁も相まって大きな盛り上がりを見せた。

ここでは今大会の大会実行副委員長を務めた、JBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)の辻本俊子専務理事に大会の総評を聞いた。

例年よりも確実にレベルが上がっている

――今大会を終えての感想からお願いします。

「まず、カテゴリーとしてボディビルのみの大会に200人を超える選手がエントリーするというのは、全国的に見てもなかなかないと思います。とくに若い選手を中心に、ボディビルの競技人口がすごく増えてきたなと感じましたね。今まで予想していなかったところから、新しいスターが出現する可能性を感じた大会になりました」

ゲストポーザーの喜納穂高選手へのインタビューも担当した辻本専務理事

――とくに印象に残った選手はいましたか。

「個人的というよりも、全体としての仕上がりのよさが際立った大会だと思います。東京ノービスはシーズンの幕開けに近い大会なのですが、どのクラスの選手もしっかりと体を仕上げてきていました。しかも、ただ仕上げただけでなく筋量もキープできていたりと、今後の大会に出てもおかしくないレベルの選手がとても多かったですね。あとはポーズがとても研究されていて、『上手だな』と感じる選手が多く見られました」

――とくにどのような点でポージングの上手さを感じましたか。

「規定ポーズをしっかり練習してきているところが見受けられました。たとえば女子のビギナーカテゴリーは、初めて大会に出る方ばかりだと思いますが、どの選手を見ても初出場とは思えない方ばかりでした。しっかりとした体をつくってきていましたし、ポージングも正確に取れていました。もちろん、各選手のフリーポーズも素晴らしかったです」

女子ビギナークラス

――例年と比較すると今大会のレベルはいかがでしたか。

「相当レベルが上がったと思います。先述したようにシーズン序盤にも関わらず、本当に素晴らしいですね」

――レベルアップの要因はどのような点だと感じますか。

「シーズンを問わず、初心者でも競技に参加しやすい環境ができたことだと思います。今までは、『ボディメイク競技は夏がシーズン』というイメージがあったかもしれませんが、今は違うように感じます。どの時期でもレベルを問わず、幅広い層の選手が参加できる大会が開かれるようになり、チャレンジの裾野が広がってきました。それほど抵抗なく競技に挑戦できる環境ができたことで、選手のみなさまのレベルアップが加速したと思います。そういった点で今大会は、ボディメイクの広まりが垣間見える機会でもありました」

最多となる33名がエントリーしたミスター70㎏以下級

――コンテストシーズンは今後も続いていきます。最後に展望や期待をお願いします。

「シーズン幕開けの時期に新人の方々がしっかりと体をつくってきて、ポージングもしっかり取れるという姿を見せてくれました。この先はさらに上のレベルの地方大会、ブロック大会、日本選手権と続きますが、レベルが上がる中で新人だった選手がどれだけレベルアップしていくかがすごく楽しみですね」

取材・文・写真/森本雄大

大盛り上がりの東京ノービス。約200名による熱戦の結果は?【JBBF】