「“負けた過去は勝てば上書きされる”を原動力にここまでこれた」。サイズ残した絞りで藤村信介が激戦のスポーツモデル王者に【筋肉祭】




6/17(土)、大阪・ドーンセンターにてSUMMER STYLE AWARD(サマスタ)、SUPER BODY CONTEST(SBC)、J-CLASSICのコラボイベント「筋肉祭」の関西大会が開催された。男女計11カテゴリーの勝負が行なわれた中、男子の花形競技・スポーツモデルで頂点に立ったのが藤村信介だ。

【フォト】これぞスポーツモデルという造形美を披露した藤村

サマスタのスポーツモデル部門のプロ選手である藤村。昨年は提携するJ-CLASSICやマッスルゲートなど団体の壁を越えて幅広くコンテストに出場し、それぞれ優勝も経験。満を持して年末に行なわれたサマスタのプロ戦(JAPAN PRO GRAND PRIX)に優勝候補の一人としてステージに立ったのだが、まさかの入賞外という結果に終わった。

「大会当日の食事の調整が合わず、消化不良を起こしてしまい、ベストなコンディションでステージに臨むことが出来ませんでした。それまで優勝、優勝ときて最後にコケてしまい、後味の悪い悔しさを残したまま2022年を終えることになってしまったんです」

迎えた2023年シーズン、7月末のプロ戦はトレーナーとしてサポートする選手たちの大会などがあるため回避し、照準はあくまで12月のプロ戦のリベンジ。ただし、プロライセンス獲得と連覇が懸かるJ-CLASSICの大阪大会がこの翌日にあるため、この「筋肉祭」への出場を決めた。

大会に向けた体づくりにおいて、減量は重要な要素であるのは言うまでもないだろう。ボディビルやフィジークでも、絞りのために有酸素運動を取り入れる選手は多いが、彼はいっさいそれを行なわず、食事量とトレーニングボリュームの調整によって準備を進めてきたと言う。

「以前は1日5時間くらい、もはや今が朝なのか夜なのかわからないほど有酸素運動を行ない、当時のプロ戦で5位をいただけました。だけどサイズ感が残らない、筋肉の張り出しが弱いという課題もあって。やはりプロ戦になると、絞りだけではなくサイズ感も問われる経験をしたことで、今年はトレーニングや食事などを見つめ直しました。3月くらいまでは苦しいくらいの食事でバルクアップ、そこからトレーニング量を調整して緩やかに減量しながら今日を迎えることができました」

「筋肉祭」は3団体合同コンテストではあるものの、やはりスポーツモデルの本家はサマスタだ。比較審査では、昨年のオーバーオールチャンピオンである岡崎峰幸との事実上の一騎打ちを制して見事優勝。「(サマスタ主宰の)金子賢さんとは10年来の付き合いで、昨年末は“今までで一番良くなかった”と言われたのですが、今回は“今までで一番良かった”という言葉をもらえました」と、サイズ感を残しながら、これぞスポーツモデルという造形美を披露した。

今後は小休止を挟み、再び12月のサマスタプロ戦での日本一へ歩みを進めていく。その先には、新たなチャレンジも見据えている。

「11月に韓国でのK-CLASSIC(J-CLASSICの決勝大会)、12月にサマスタプロ戦、ここで優勝できれば、獲るべきものは獲ったことになります。昨年にマッスルゲートに出場したように、今後はボディビルやクラシックフィジークでJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)の大会への挑戦も視野に入れていきたいと思います」

敗戦の悔しさを勝利で上書きしながら、挑戦を続ける藤村。心も、体も、存在感もデカくなりながら、自信を持ってチャレンジを続ける彼の今後が楽しみだ。

次ページ▶プロ戦並みの熱戦。筋肉祭を盛り上げた強きボディ