ちょうど1カ月後の7月30日、さいたまスーパーアリーナの『超RIZIN.2』に出場します。自分が日本で試合をするのは2019年12月以来で、すごく久しぶりなので試合が決まってワクワクしています。
この大会はRIZINとベラトールの合同興行です。前半はベラトール興行で後半がRIZIN興行となっています。対抗戦と勘違いする方もいるかもしれませんが、完全なベラトールの大会を日本でやるという形になり、試合場は金網ですし、ベラトールの審判機関での試合になります。
自分は今、ベラトールのチャンピオンを目指して海外で挑戦をしていて、それをやり終えたら最後は日本で試合をしたいと考えていました。中途半端な形で戻る気持ちはなく、日本で試合をするのはまだまだ先のことだと思っていました。だから、ベラトールの大会を日本でやるという、最高の形で試合をできるのはすごく嬉しい気持ちです。
日本で試合をできるのは嬉しくもあり、移動もないため心身ともにすごく楽だと思います。ただ、3年以上も日本で試合をしていないため、どんな感じで調整していたのかを完全に忘れてしまっています(笑)。ギリギリまで自分のチームで練習ができて、ケアにも通えるし、減量をする環境も整っています。コンディション的には海外の試合よりも圧倒的に良くなるはずです。環境に恵まれているぶん、油断することなく調整していきます。
今回の対戦相手は女子フライ級7位のヴェタ・アルテアガ選手です。自分が前々回闘ったデニス・キーホルツ選手に勝っていて、ベルトへの挑戦経験もある強い選手です。タイプ的にはオールラウンダーで、冷蔵庫みたいにごつい体をしていて、パワーのある選手だと思います。ギロチンチョークを得意としているので、それには警戒しつつ、テイクダウンして、しっかりやっつけたいです。
前回のハワイでの試合はきわどい判定負けでしたが、この試合に勝てばまたベルト挑戦の可能性が膨らんできます。夢に近づくためにも、日本のファンの皆さんの前で、いい勝ち方をしたいです。
今大会への参戦発表の記者会見をやると聞いたとき、まず頭に浮かんだのが「服がない!」ということでした(笑)。スーツは持っていますが、今はショートカットなので、スカートをはくのが何となく嫌だったんです。記者会見に間に合うようにユニクロでパンツを買って、ジャケとパンツというスタイルで出席しました。私服でいいと言われても、こういうときに着られる私服がないので、本当に困ります。
服装のことはともかく、記者会見の場所が歌舞伎町タワーの前の広場で、ビックリするくらいたくさんの人が見に来ていました。朝倉未来選手や他の選手も出席していたので、その効果だと思いますが、本当にすごい人だかりでした。
実はこの会見のとき、ステージから新宿FACEが見えたんです。新宿FACEは自分がMMAのデビュー戦を闘った場所です。柔道を辞めてあそこから新しいスタートを切って、今は目の前にこんなにたくさんの人がいると思うと、感慨深いものがありました。自分はまだまだこれからですが、少しだけ、今まで頑張ってきて良かったなと思えました。
でも、感傷に浸っている場合ではありません。もっともっと自分がやってきたことを良かったと思えるように、7月30日の試合は日本のファンの皆さんの前で絶対に勝ちます。たくさんの方に試合を観に来てもらいたいです。
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渡辺華奈(わたなべ・かな)
1988年8月21日、東京都出身。7歳から柔道を始め、高校ではインターハイ2位、アジアジュニア優勝などの実績を残し、東海大進学後、1年時に全日本ジュニア優勝を飾る。卒業後、JR東日本へ入社し、オリンピックを目指して競技を続けた。2017年に同社を退社し、格闘家に転身。同年12月3日にデビューを勝利で飾ると29日にはRIZIN初参戦で実力者杉山しずかに勝利。2021年よりアメリカ格闘技団体「ベラトール」に参戦している。所属はFIGHTER’S FLOW