ボディビルダー・中山翔二。44歳にして肉体を維持し続ける彼は、“なかやまきんに君”として各種メディアに引っ張りだこの人気者となっている。
「第37回東京クラス別ボディビル選手権(6月24日開催)」のマスターズ40歳以上級で6位入賞をはたし、注目を浴びた中山。昨年の3位から順位を落とすも「悔しかったですがベストを尽くしました」と晴れやかな表情を見せた。それもそのはず、彼にとって昨年からの1年間は“うれしい悲鳴”とも言える状況になっていたのだ。
代名詞とも言える「パワー!」「ヤー!」が2022年の「ユーキャン新語・流行語」にノミネートされるなどブレイクをはたし、仕事のオファーが殺到。登録者200万人を超える人気YouTubeチャンネル「ザ・きんにくTV」の撮影・編集も相まって超多忙な日々を過ごすことになった。
「昨年9月からはトレーニングがなかなかできず、昨年よりも筋量が減った中で減量期間に入りました。その中でもベストを尽くそうと決めて、仕上がりはきっちりとがんばることができたと思います」
“筋肉で売れて筋肉が減る”という自体に直面したが、たとえ週1であっても鍛錬を欠かすことはなかった。彼はYouTubeでその真意を語っている。
「今できることをやろうとがんばっています。みなさんそれぞれやるべきことがある中での大会なので、トレーニングの一部分だけを切り取って他の人と比べないようにしています。もっとストイックにやっている方もいると思いますが、そこは自分との闘いで今できることをやり続ける。その積み重ねだと思っています」
積み上げた努力は嘘をつかない。トレーニーの鏡とも言える姿勢で、条件が整わない中でも自分を信じて進んできた。
そんな日々を経て迎えた東京決戦のステージ。昨年からのサイズダウンは否めないものの、絞られた体とパフォーマンスは見ごたえ十分だった。締めは代名詞である「ヤー!」をフリーポーズで披露し、激戦区での6位入賞をつかんだ。
「ボディビルに関しては個人競技になりますので、大事なのは昨年よりも成長できたかどうかです。今回の結果を受け入れて、また一からトレーニングに取り組んでいきたいです」
多忙な中で、大会出場を諦める選択肢もあったはずだ。その中での今大会へのチャレンジは、彼の信念を象徴していたとも言える。
「人と比べず、今できることに最善を尽くす」。長年の積み重ねが“なかやまきんに君”をつくり上げ、人々からの人気にもつながっているのだろう。
大輪の花を咲かせた現在だからこそ、中山翔二という男の「きんに君」たる所以が垣間見えた。
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