筋トレの効果的な回数は?




「筋トレを始めたいが何からやっていいのかわからない」といった初心者の疑問から、マニアにも役立つ知識まで、骨格筋のエキスパートであるバズーカ岡田先生にきいてしまう連載企画。第3回は、誰もが悩む筋トレの回数です。

A.10回×3セットを目安にするといいでしょう

筋肉を大きくすることが目的なら、例えば腕立て伏せを100回やっても意味はありません。だいたい10回くらい、少し細かくいうと8~12回しかできないような負荷のトレーニングをするのが効果的だと言われています。それにはちゃんと理由があって、筋肉には速筋線維と遅筋線維があって、速筋線維のほうが筋肥大しやすいんです。そして強い力を出す、つまり20回、30回はできないような動きは主に速筋線維を使う。だから、多くの回数ができない運動ほど、筋肥大には効果的なんです。

傷ついた筋肉が超回復によって前よりも太くなるのが筋トレの狙いです。

ただ、10回という数はきりがいい分、10回やったところでやめてしまう人も多いのですが、あと1回、11回目が上げられるなら11回やったほうがいい。トレーニングをしている人たちの間ではよく言われることですが、そうやって上げた最後の1回が一番効きますので。そうやって最後まで追い込んでいって、13回、14回と上がるようになってきたら、今度は重量を増やしてまた10回しかできないように負荷を調整します。速筋線維を疲れさせるという意味では、3回でも5回でもいいのですが、10回がいいと言われるのは、筋肉を大きくするには力学的な仕事量も大事な要素だからです。仕事量というのは、1セットで合計何kgを上げたのかということです。

セット数は大切で、10回×3セットを基本にメニューを組みましょう。

もう1つ大事なのはセット数。10回をできれば3セットやりたい。10回×1セットで、もうできないところまで追い込んだグループと、少し重量を減らして3セットやったグループを比較した実験では、3セットのグループのほうが筋肥大は大きかったという結果が出ていますから、複数セットやることは大切です。

1セット目が10回上がったとすると、2セット目は9回、3セット目は8回と回数は落ちていくと思いますが、それだけ筋肉を追い込めているということなので、それでいいんです。できるのであれば、セット数は5でも10でもいいのですが、ほかの種目ができなくなってしまうので、3セットくらいにしておくのがいいでしょう。

※本記事は、2017年に公開した記事に加筆・修正を加えたものとなります

岡田隆(おかだ・たかし)
1980年、愛知県出身。日本体育大学准教授。JOC強化スタッフ(柔道)、柔道全日本男子チーム体力強化部門長。日本体育大学大学院体育学科研究科修了。東京大学大学院総合文化研究科博士後期課程単位取得満期退学。自身もウエイトトレーニングの実践者として2014年にボディビルコンテストに初挑戦。デビュー戦となった東京オープン選手権大会70kg級で優勝を果たす。2016年には日本社会人選手権大会を制し、日本選手権大会にも出場。また、日本体育大学バーベルクラブの顧問を務めており、『第54回全日本学生ボディビル選手』(2019年)の団体優勝に導いた。権骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌等多くのメディアで活躍中。『2週間で腹を割る!4分鬼筋トレ』(アチーブメント出版)『バズーカ式【超効率】肉体改造メソッド』(池田書店)など著書多数。
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