健康な体を維持するため不可欠な栄養素。プロテインはドーピングではありません【佐久間編集長コラム「週刊VITUP!」第8回】




VITUP!読者の皆様、こんにちは。日曜日のひととき、いかがお過ごしでしょうか?

強度の腰痛(前回のコラム参照)という危機は脱したものの、新たな危機が迫ってきています。現在飲んでいるプロテインがまもなく底をつきます。ピンチです。新しいものを買えばいいだけの話ですが、タンパク質の量だったり、その他の成分や味だったりで、何を買おうか決めかねているのです。

私が学生だった頃はプロテインの種類も少なく、溶け具合も良くなく、味もイマイチで、好んで飲みたいとは思いませんでした。しかし、今は味も種類も豊富だし、プロテインパンケーキまであり、美味しくタンパク質を摂取することができます。

だいぶ世間の認識も変わってきていると思いますが、40代のサラリーマンがプロテインを飲んでいると言うと、「何のために?」と怪訝な顔をされることがあります。粉のイメージなのか、いまだに一種のドーピングと思っている人もいるのかもしれません。

そもそもプロテインとは、タンパク質のことです。タンパク質は炭水化物、脂質とともに三大栄養素の一つであり、筋肉だけでなく、肌や髪の毛、内臓や血液など、体のあらゆる部分の材料となる栄養素です。筋トレをしている、していないにかかわらず、健康な体を維持するためには絶対に必要なものなんです。

それだけ重要な栄養素なので、しっかりと摂取しなければいけません。とくに運動をしていない人でも1日あたり体重×1gは必要とされ、運動をしている人や成長期の子供の場合は体重×2gは必要だと言われています。

体重63㎏の私の場合は一日に126g必要となります。たとえばこれを牛乳で計算すると、1パック(200ml)あたりタンパク質は6gくらいなので、21杯飲まなければいけないことになります。牛乳をそんなに飲んだらお腹ピーピーですよ。納豆の場合は1パック(50g)あたり、約8g。ということは15パック食べなければいけません。もう口の中が粘々過ぎて喋れなくなります。

ちなみに鶏のささみは100gあたり約23g、牛ヒレ肉は100gあたり約21g、卵は1個で約6gです。高タンパクの食材を意識して食べないと、なかなか一日に必要なタンパク質を摂取することはできません。だからこそ、手軽にタンパク質を摂取できる、プロテインが必要なんです。

プロテインは「飲むだけで筋肉がつく」、あるいは「飲んだら太る」と考えている人も多いようですが、それも大きな間違いです。飲んでいるだけでは当然筋肉はつきません。逆に太るということもあまり気にいなくていいでしょう。そもそもタンパク質は体のあらゆる場所で必要とされているため、普通の食生活だけでは不足しがちになります。それをプロテインで補うわけだから、太る心配はしなくてもいいのではないかと思っています。

というわけで、40代のサラリーマンがプロテインを飲んでいてもおかしくないことはわかっていただけたでしょうか? トレーニング後の一杯は仕事終わりのビールみたいに最高です。

佐久間一彦(さくま・かずひこ)
1975年8月27日、神奈川県出身。学生時代はレスリング選手として活躍し、全日本大学選手権準優勝などの実績を残す。青山学院大学卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。2007年~2010年まで「週刊プロレス」の編集長を務める。2010年にライトハウスに入社。スポーツジャーナリストとして数多くのプロスポーツ選手、オリンピアンの取材を手がける。