「なぜっていう気持ちがないわけじゃないけど、しかたないですね。まあ、控室の時点で上位に行く人は分かりましたけど」
そう語るのは、コロナ禍を経て5年ぶりにエントリーするも、残念ながら入賞を逃した黒木泰貴だ。元高校球児という彼は「強豪校ではなく普通の高校でした」と謙遜するが、野球から離れた後も「筋トレはずっと続けていた」というほどの生粋のスポーツマンだ。
現在36歳。20歳くらいからジム通いを始めたと言うからトレーニング歴は15年以上になる。もともと瘦せ型で、トレーニングを始める前は今より20キロも体重が軽かったという。ひとりもくもくとトレーニングに打ち込む姿をジムのトレーナーが見逃すはずはなかった。
「ボディコンテストに出ない?」
専門家からスカウトを受けて、ボディコンテストでの入賞という目標ができた。トレーニングにも当然それまで以上に力が入る。
初挑戦は6年前。ちょうどボディコンテストが流行りの兆しを見せ始めたころだった。観衆を前にしてスポットライトを浴びる初舞台はやはり緊張した。
「さすがにヒザがガクガク震えたりはなかったですけど」
その後も何度か出場したが、2019年末から起こった新型コロナのパンデミックによってブランクができてしまった。その間もトレーニングは欠かすことなく、コロナもすっかり落ち着いて、久々の出場。結果は芳しいものではなかったが、今後のトレーニングの糧となると前向きにとらえている。もちろん、現在も週5回か6回のトレーニングは欠かさない。
30代半ばを過ぎ、減量はなかなか難しくはなってきているが、無理はせず、一回一回の食事量を減らすことで健康的に体重を減らすという。痩せ体質ということもあって、いわゆる「増量期」でもそれほどには体重は増えない。
黒木にとってボディコンテストはいわば、“大人の甲子園”。「また機会があれば出たい」ですね。とリベンジを誓うその目は球児のようにキラキラと輝いていた。
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