60年以上の歴史を持つ学生ボディビル(以下、学ボ)が新たな一歩を踏み出した。以前から噂されていた女子部門がついにスタートしたのだ。
「第57回全日本学生ボディビル選手権大会」(9月30日、埼玉・深谷市民文化会館)には、6大学から8名がエントリー。本格的に声援が解禁されたこともあり、学ボの醍醐味とも言える熱狂的な雰囲気で会場は大いに盛り上がった。
史上初の「女子ビギナーズフィットネス」審査では、初々しさの残る選手たちが磨き上げてきた肉体美を競い合った。結果、初代女王に輝いたのは、青山学院大学(総合文化政策学部)4年の堀越百恵だった。
高校からパワーリフティングに励んできた堀越は、大学の体育会パワーリフティング部でも主将を務める。そのためバーベルを使った体づくりは問題なかったが、ステージ上でのポージングには少し抵抗があったようだ。「恥ずかしくて、恥ずかしくて……。でもステージに立ってみると応援してくれる方々の暖かい声援や拍手もあったので、思いっきり楽しむことができました」と初挑戦の感想を素直に表現した。2024年春には就職が決まっているため、ステージはこれが最初で最後となりそうだが、今後も趣味でトレーニングを続けていくという。
女子大生が本気で取り組める舞台が誕生したことは、女性のフィットネス人気の新たな追い風になるだろう。このカテゴリーのさらなる成長、選手増加にも期待したい。
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