3つのカテゴリーすべてを完走して
メダルを完成させたい!
――まず、これまでのスポーツ歴を教えて下さい。
南雲:中高時代に剣道をやっていました。今でも時々稽古していて、居合も行っています。マラソンにも参加していて、万里の長城マラソンなど、これまで4回出場しました。年内にあと2回走る予定です。ゴルフやスキューバダイビングも楽しんでいます。
――かなり活動的ですね。ジムには行ったりするんですか?
南雲:週2回ほど利用しています。インナーマッスルを鍛えるために、月1でボクシングジムにも通っています。
――スパルタンレース出場資格充分なのは分かりました。とはいえ、参加には覚悟が必要だと思います。出場に至る経緯を教えてください。
南雲:アメリカ滞在中だったと思うのですが、TVでその存在を知りました。泥まみれになって、顔から血を流しながら有刺鉄線の下を匍匐前進したりするのを見て、衝撃を受けたんです。最初は、「何なのこれ!?あり得ない!」と思いました。でも、すぐに気持ちが変わり、やってみたいと思うようになりました(笑)。
――心の何かをくすぐられたんですね。
南雲:昨年、ロシア人の友人がシンガポールの大会に出場したことで、参加したいという気持ちが強くなりました。新しいことをするのが好きなんです(笑)。
――過酷なレースとして知られていますが、参加してみて、特に厳しかったのは、どの辺りでしょう?
南雲:スタート直後に、壁を飛び越える障害物があったんですけど、女性だと跳んでも届かない高さなので、そもそも無理なんです。私の場合、参加者の男性が、かがんで背中を踏み台にして助けしてくれました。クリアできないと、バーピージャンプ30回をペナルティとして課せられるんですけど、「初っ端からこれ……?」という感じでした。
――徐々にではなく、いきなり心を挫くような設計ですね。
南雲:途中、的に向けて槍を投げるんですけど、これも無理でした。1回だけしか挑戦できないので、やりながら上手くなることができないので、当たらないんです。
――強弱があるというより、全てが試練という感じですね。
南雲:そうですね。バケツで砂利を運ぶのも、ロープを登るのも、砂袋を運ぶのも、全部キツいです。
――スパルタンレースと言えば、参加者が泥まみれになって進む光景が有名ですよね。
南雲:泥の中、塀の下をくぐらされた時は、「嘘でしょ……?」と思いました。それと比べれば、有刺鉄線の下の匍匐前進は、乾燥した砂の上なので、意外と楽かもしれません。
――万里の長城マラソンのような、過酷なマラソンもご経験されていらっしゃいますが、どちらが厳しいですか?
南雲:万里の長城マラソンと比べ、スパルタンレースは1つ1つが短いので、時間的にはキツくなかったです。脚はマラソンの方がキツいです。私が出場したのは、3つあるカテゴリーの中では初心者向けの、一番距離が短い「スプリント」でしたので、5km程度ですし(※カテゴリーと距離や内容は、大会ごとに確認)。でも、腕はスパルタンの方が辛いです。持ち運ぶ動作がありますからね。スパルタンのダメージが続くのは2日ぐらいなので、大したことないです。フルマラソンだと、3日ぐらいきますから。
――いやいや、それ、「大したことない」ことないです。充分厳しかったと思いますが、さらに厳しいカテゴリーに挑戦するご予定は?
南雲:そうなんです、あと2回参加して、メダルを完成させなければならないんです。
――???……と申しますと?
南雲:完走すると、メダルが授与されるんですけど、私が今回頂いたのは、3分の1のメダルなんです。よりハードルが高い、あと2つのカテゴリーで完走して、それぞれで3分の1のメダルを獲得しないと、メダルが完成しないんです。先ほど、マラソンの方がキツいと言いましたけど、次に出場するカテゴリーは時間も長くなります。体力的な辛さもありますが、精神力も必要ですね。
――なるほど、それは出場しないわけにいかないですね。最後に、メダル完成後の目標を教えてください。
南雲:最終的には、サハラマラソンとジャングルマラソンで完走することですね。
キツそうだから参加してみたいと思わせるのがスパルタンレースであり、参加してキツいからまた挑みたいと思わせるのがスパルタンレースなのだろう。9月8日(土)に開催される今年2回目のレースは、エントリー受付中だ(すでに締め切りのカテゴリーも)。この機に一念発起、試しにエントリーしてみては、いかがだろうか。
取材・木村卓二