個性を生かしながら、子供たちを楽しく導く~サッカー個人レッスンインストラクター・Daiki.②




トレーニング分野でも、パーソナル指導が盛り上がる昨今。連載「Naoのトライ! フィットネス」でリフティング体験の指導をいただいたSELECAO(セレソン)では、まだ世間では少ないサッカーの個人レッスンを行なっている。前回に続き、飯島大樹(Daiki.)さんが登場。今回は、サッカーの指導で大切にしていることを語ってもらった。

子供たちの身近なヒーローでありたい

前回のインタビューでは、食育指導士としての面から、子供たちの食事面のアドバイスをDaiki.コーチに語ってもらった。数多くの子供たちに接するなかで、Daiki.コーチが大切にしていることを問うと、「その子の顔をよく見ること」とのことだ。

「ちょっと嫌な顔をしたなと思ったら、何が嫌なのかな、本質を見極めるアプローチをします。表情が歪んだなって思ったら、一度そこから離れてコミュニケーションをとるんです。まったく違う話から徐々に近づいていきます」

根本は、前回の話にもあったように、楽しんで成長してもらうことだ。

「僕らが『やりましょう』と言うのではなく、子供たちから主体的になってほしいと思っています。○○ができないから、そのために○○がやりたい、というように。レッスンで否定は絶対にしないですね。『いまのプレーどう思う?』という聞き方をする。正直に言ってごらんと言うと、だいたい教えてくれるんです。ボールを受けるのが嫌だったとか、ヘディングが怖かったとか」

加えて、「成功のイメージを持ってもらうこと」が大切だと話す。

「理想と現実の差がありすぎるとやる気がなくなってしまうけど、イメージすることによって、そこがグンっと縮まる。『できない』って思わせないこと。『やれ』じゃなくて『できるんだ』ということを伝えるようにしています」

こういったアプローチができるのは、パーソナルトレーニングだからこそだ。チームスポーツであるサッカーでは集団でのトレーニングが基本となるが、全員が満足して成長するようなトレーニングを行うには、コーチとして高い技量が必要となる。その点、パーソナルトレーニングでは一人ひとりの課題に応じたトレーニングが可能だが、懸念点もあるという。

「過信させないことですね。マンツーマンでやるぶん、自信はつきやすいと思うんです。でもそれをチームに持ち帰ったときに、『Daiki.コーチがこう言ってたからいいんだ』となると、チームにマイナスになってしまう。僕らがやっているのはteachじゃなくてcoach。チームに還元できるように導いてあげないといけないですよね」

子供たちを導いていく。そのためには、導く先の目標が必要だ。その点も、Daiki.コーチらしいアプローチをしているとのこと。

「レッスンを受ける子供たちには、最初に、家の中で触る用のボールをプレゼントするんです。白黒のボールをね。そこに目標を書いてもらう。そして、足で触れば触るほど、その目標が消えていくわけですよ。『こんなに消えた』とそれがモチベーションになるので、『それは目標に近づいていることだよ』と伝える。TVを見ようがゲームをやろうが構わないけど、足先でボールに触れている環境が、今の時代は特に必要かなと思います。足先の感覚っていろんな細かい神経が通っているから、ボールに触ってないと発達していかない。小学生年代には特に大事にしてほしいと思いますね」

最後に、子供たちにとってどういう存在でありたいか?と聞くと……

「“身近にいるヒーロー”、ですね。僕自身、スタジアムDJをやったり、歌手として歌ったりもしているので、子供たちがスタジアムに来たときに『あ、Daiki.コーチだ』って言ってもらえるのが嬉しいんです。もちろん、パーソナルだと一人ひとりに親身になれますから、僕が子供たちの試合を見に行ったりもします。“会いに行けるアイドル”というのがありますけど、それと似たような感じで、“身近にいるヒーロー”でありたいと思います」

Daiki.コーチからの応援メッセージは↓↓

協力/サッカー個人レッスン -SELECAO(セレソン)-
取材・文/木村雄大 撮影/須﨑竜太

飯島大樹(いいじま・だいき):Daiki.
1991年1月生まれ、埼玉県出身。SELECAO公式インストラクター。中学時代には大宮アルディージャの下部組織でプレー。サッカーと並行して、音楽活動も行ない、横浜を拠点に活躍。テレビ出演、モデルやラジオパーソナリティ等も務める。2016年に「JADE」でメジャーデビュー。その年から、Y.S.C.C.横浜でスタジアムDJを務めており、2018年開幕戦では公式応援ソング「ビクトリー・ブルー」を披露。
Twitter→@npoparadaisuDIK