YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、“戦慄の豆タンク”こと杉中一輝選手の後編です。
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繊細さも感じられるフリーポーズ
規定ポーズだけでなく、フリーポーズも上手な選手です。超バルク派とは思えないほど、指先まで意識された繊細で美しいフリーポーズが印象的ですね。勿論、迫力重視のフリーポーズもされますが、どちらにもしっかりと対応していて、応用力の効いたフリーポーズが杉中選手の特徴だと思います。
続いて、個人的に杉中選手の魅力だと思うことについてお話しします。1つは、師匠へのリスペクトが感じられるステージングです。木澤さんがよく行っていた二頭筋を強調するポーズを杉中選手が応用されることも多く、かつフリーポーズも木澤さんが過去に使用した曲を使われることが多いんですよね。そういった師匠に対するリスペクトが溢れるステージングを見ていると、胸が熱くなります。
もう一つは、ポージングです。キレのあるプレアクションと積み上げてきた練度の高いポージングは、杉中選手のボディビルに対する実直さを表しているようで、引き込まれるような魅力がありますね。
杉中選手は、2022年の日本選手権で初参戦にして9位に食い込み、翌年は4位になったことで、表彰台が期待されていました。また、昨年は師匠である木澤選手が引退する年ということで、「木澤さんを倒して優勝」という目標を掲げて大会に向けた調整をしていたと思います。
さらなる進化を求めて、それまでとは違った方法で減量をしてみたようなのですが、残念ながらそれがあまり身体に合わなかったのか、減量途中で前年の仕上がり体重を切ってしまう事態に陥り、メンタルもかなりやられていたとYouTube等で仰っていました。そのため、昨年の成績は中々振るわず、ご本人的にも悔しいシーズンになったと思います。ただ、今回の経験や悔しさをバネに、今年の日本選手権はまた跳ね上がってくれるのではないかと僕は期待しています。
今回は杉中一輝選手について紹介させてもらい
ました。苦しかった昨シーズンからどのような進化を遂げてステージに帰ってくるのか。杉中選手の復活劇に要注目ですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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