血管バキバキの異次元コンディション! 苦節16年41歳で念願のファイナリスト入りを果たした魂の男〜江川裕二【筋肉マニアのビルダー解体筋書】




YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、2024年日本選手権12位の江川裕二選手です。

【フォト&ムービー】2024年のボディビル界を沸かせたフリーポーズ『熱くなれ』デーモン閣下ver.

トレンドに合わせた隙のない肉体美

江川選手の特徴は、優れたバランスと脅威的な仕上がりです。バルク派ではないものの、程よくフレームの大きい骨格にバランスよく筋肉が付いているため、目立った弱点がありません。
近年のボディビルは、バランスとプロポーションがより重視されるようになってきており、江川選手はそのトレンドに最もマッチした体を持っていると言えるかもしれません。

そして、彼最大の強みである圧倒的な仕上がり。全身皮一枚となった体には、至る所から血管が浮き出ており、その質感は人間とは思えません。また、これだけ絞れていながら、筋肉の張りは失われておらず、理想的とも言える完璧なコンディションをしています。その上、この異次元のコンディションを崩すことなく、毎回安定した状態でステージに上がっているため、彼の盤石さには目を見張るものがあります。

江川選手は2008年にボディビルデビューされ、叩き上げで成り上がったトップ選手の一人です。昨年には、ジャパンオープン優勝・日本クラス別75kg以下級2位と華々しい成績を飾り、ついには国内最高位の日本選手権で初のファイナリスト(TOP12)入りを果たしました。苦節16年41歳にしての悲願達成に、ご本人の喜びは計り知れないものがあったでしょう。

日本選手権におけるファイナリスト発表の瞬間は、同大会の中でも一ニを争う盛り上がりを見せます。特に、新ファイナリストが誕生した瞬間は、会場が揺れるほどの声援が飛び交います。昨年、江川選手が登場した際にも観客は大いに湧きましたが、その中で彼が見せた渾身のマスキュラーポーズと込み上げる気持ちを噛み締めるような表情は、胸に来るものがありました。

フリーポーズも大変上手な選手で、曲の感情に合わせたキレと滑らかさのあるポージングは見る者に勇気と感動を与えてくれます。特に、昨年の日本選手権で見せたフリーポーズの安定感と表現力は圧巻で、『熱くなれ』という曲名にピッタリの作品でした。素晴らしいフリーが多く披露される同大会の中でも、トップクラスの完成度を誇っており、会場も凄まじい盛り上がりを見せていました。

今回は江川裕二選手についてお話しさせていただきました。昨年は、長い時間と労力をかけて「ボディをビルディングする」ことの良さを体現することで多くの人に感動を与えた江川選手。彼の今後の活躍にも大きく期待したいですね。

次回は、高身長ビルダー時代の火付け役となった「ボディビル界の巨人」についてお話しします。お楽しみに!

▶次ページ:江川選手のステージフォト

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