YouTubeに投稿しているボディビル解説動画が話題の筋肉マニアが、毎週一人のボディビルダーをピックアップして紹介していく連載「解体筋書」。今回は、東京選手権9位の榎本星矢選手です。
筋肉量において彼の右に出る者はいない
かつて日本ボディビル界を騒がせた若き戦士がいました。その男の名は、榎本星矢。大の昆虫好きで、採集だけでなく、自ら昆虫を食すこともあることから名付けられた異名は”ビートル榎本”。そんな彼の特徴は、規格外の筋肉量です。身長161cm仕上がり体重78kgという人間離れしたバルクを搭載しており、身長比率の筋量で言えば、”日本史上最強のボディビルダー”鈴木雅選手の全盛期に匹敵します。
元々はウエイトリフターで、国体に選出されるほどの実力者でしたが、理想の体を目指してボディビルに転向。デビュー戦である2018年日本ジュニアではいきなり準優勝。翌年には、東京クラス別75kg超級に出場し、19歳という年齢ながら、他の追随を許さない圧倒的バルクで堂々の優勝。間違いなく、未来のボディビル界を背負って立つ存在になると誰もが期待していました。
ところが、それ以来大会に出場することはなく、彼の話をする者も次第に減っていきました。そして、今年の東京選手権。数多の強豪が名を連ねる中、出場選手名簿には榎本星矢の名前が!”ビートル”の復活に、ボディビルファンは大いに湧きました。6年の沈黙を破り、ステージに現れた榎本選手の姿は、まさに怪物。全身に岩がくっ付いているのではないかというほど頑強で巨大な筋肉は、観客の度肝を抜いたことでしょう。
特に、三角筋、上腕、大腿四頭筋についてはナチュラルで人類が到達できる域を超えていると感じるほどのサイズをしており、シンプルなバルクだけで言えば日本選手権ファイナリストと同等以上かもしれません。今回の復帰戦では、肌の白さと仕上がりがソフトに見えたことで結果としては9位でしたが、彼の体は「記録」以上に人々の「記憶」に焼き付いたことでしょう。
今回は、榎本星矢選手についてお話しさせていただきました。劇的復活とまではいかなかったものの、驚愕の肉体を披露してくれた榎本選手が今後どのような活躍を見せるのか非常に楽しみですね。
次回は、わずか3年で東京3位まで駆け上がった逸材についてお話しします。お楽しみに!
★筋肉マニアのYouTubeチャンネルはこちらから
▼連載記事一覧はこちらから