世界最大規模のフルコンタクト空手団体・新極真会が主催する、「第57回全日本空手道選手権大会」が10月18日-19日に東京体育館で開催された。本大会は1969年の第1回大会以降、半世紀以上の歴史を誇る闘いだ。
歴戦の猛者から新進気鋭の若手まで、数多の選手がトーナメントにエントリーした中、女性空手家8名で結成されたユニット「KARATEガールズ」からも2名が国内最高峰の舞台に挑んだ。
KARATEガールズは強さと優しさ、思いやりの精神を備え、フルコンタクト空手を世界に広める志を持つなど、選考基準に当てはまる女性空手家8人によって結成されたユニット。今年5月31日-6月1日に開催された「KARATE EXPO 2025」(3大会併催)ではアンバサダーを務めるなど、大舞台に華を添えた存在だ。今回は組手部門に植松音羽選手(17歳)、型部門に山中友結香選手(15歳)が初めて最高峰の舞台にチャレンジした。
植松選手は新極真会群馬支部で研鑽を積む現役女子高生。今年7月に開催された年代別全国大会・カラテドリームフェスティバルでは初優勝を飾った有望株だ。今大会では惜しくも一回戦で敗退したが、かけがえのない経験を大舞台で積んだ。

「10年間空手を続けてきて、ようやくあこがれの舞台に立つことができたので、思い切り楽しんで闘おうと思いました。相手選手の対策もしてきましたが及ばず、まだ稽古が足りないと痛感しました。支部の先輩がこの大舞台で闘う姿をずっと見てきたので、自分の中で全日本は特別な大会です。これからもコツコツ稽古を積み重ねて、いつか優勝できるようにがんばります」(植松選手)

型部門に挑んだ山中選手(新極真会東京ベイ港支部)は、ドリームフェスティバル3位の実績をもつ実力者。ともに大会に挑んだ恩師・谷口亜翠佳四段との対戦を志しトーナメントに臨んだ。昨年3位の強豪・細谷希花選手に惜しくも敗れたが、15歳ながら堂々たる型を見せた山中選手は、この挑戦でさらに向上心が高まったようだ。

「負けてしまい悔しいですが、大舞台で自分の型をやり切れたので、出場してよかったと思っています。自分の試合の後も、亜翠佳先生が勝ち進んでいく姿を間近で見られたことにすごく感動して、自分も先生に追いつけるくらい上手くなりたいと思いました。今後は型も組手も両方がんばって、大会で優勝できるようにがんばります」(山中選手)
なお、谷口四段は今大会で3位入賞をはたし、教え子に大きな背中を見せた。激闘の背景にあるこうした人間ドラマも、空手のトーナメントにおける大きな魅力だろう。


大舞台に挑んだ彼女たちの思いから、全日本大会が選手に与える影響力が垣間見えた。空手界の若手選手の成長と活躍に今後も注目だ。
