2026年1月3日。東京・大田区体育館で開催された新春一発目のビッグマッチで、翔月なつみの復帰戦が組まれた。
ここまでの過程を読めば、もう手放しで喜びたくなるところだが、いささかの不安はあった。なぜならば8か月ぶりにリングへと降り立った翔月なつみの右肩には、しっかりとテーピングが施されていたから、である。

「100%完璧に治ったというわけではなかったので、たしかに不安はありましたね。しかもチームを組むパートナーの天麗皇希もその日が復帰戦だったので「おいおい、このチーム、大丈夫なの?」って(笑)。試合をやっているうちに勘やリズムを取り戻して。無事に終えることができてよかったです!」
そこから試合を重ねていくにつれ、右肩のテーピングは消えていき、2・23後楽園ホール大会では、新設された6人タッグ王座『3Dトリオス選手権』の初代王者決定トーナメントで見事に優勝。スーパーフライ級王座に続き、2度目の初代王者になるという記録も打ち立てた。つまり、ただ単にチャンピオンになっただけではなく、このベルトの価値を創造し、どこまでも高めていける権利をも手に入れたわけだ。
「すでに強いチャレンジャーが名乗りをあげてきているし、チャンピオンとして、しっかりとコンディションを整えながら、防衛戦を重ねていきたいですね。もちろん、このベルトは大切ですけど、ここが私のゴールではないですから。このリングでやりたいことはまだまだあるし、もっともっと高みを目指したい」
引退すら頭をよぎった昨年の苦悩を思えば、チャンピオンベルトを腰に巻いて、防衛ロードを歩んでいる姿は、夢のような話。リハビリが思うように進まない時期は、日に日に基礎体力が削られていることを実感していたというが、現在の彼女の試合ぶりからは、もうそんな不安要素はまったく感じられない。リハビリによって、プロレスラー・翔月なつみの肉体は完全にリビルドされたようだ。
「これからも油断することなく、もう大きな怪我をしないように体のケアに時間とお金をかけていきたいと思います!」
ベルトを獲得した2日後、翔月なつみは37回目の誕生日を迎えた。不死鳥のごとく復活した彼女の今後に注目したい。
