優勝候補筆頭・190cmの世界王者にアクシデント 絶対女王は15歳妹とダブル優勝【フルコンタクト空手 体重別全日本大会】




5月30日(土)~31日の2日間にわたり、京王アリーナTOKYOで『第10回記念全日本フルコンタクト空手道選手権大会』が開催された。

この大会はフルコンタクト空手の統括組織であるJFKO(全日本フルコンタクト空手道連盟)が主催する体重別日本一決定戦であり、男女10階級で栄えあるチャンピオンが決定した。

【フォト&リザルト】男女10階級の入賞者

既報の通り、今回は昨年5月に開催された初の統一世界大会『第1回全世界フルコンタクト空手道選手権大会』の優勝者5名(澤井天心、後藤優太、鈴木未紘、網川来夢、森みいな)が参戦しており、ハイレベルな激戦が繰り広げられた。

その中でもとくに注目を集めたのが、男女重量級に出場したふたりの世界チャンピオンだ。ここでは、その両者を中心に激闘の模様を振り返る。

男子重量級にエントリーした後藤(空手道MAC)は、190cmの長身に秘めた爆発的な攻撃力で、相手を圧倒する組手が持ち味。大手総合商社・丸紅に従事するエリート商社マンでもあり、空手と仕事の両立も実現させている。

今大会でも優勝候補筆頭の評価を受けていたが、準々決勝でアクシデントに見舞われた。後藤と対戦相手の堀之内陽逞(新極真会 福岡支部)が放った下段廻し蹴りが交錯し、後藤が深刻なダメージを負ってしまう。たまらず倒れ込んだ後藤は試合続行不可能となり、堀之内に一本勝ちの判定。担架で試合場を後にすることとなった。

アクシデントに見舞われた後藤

そんな波乱が起こった男子重量級のトーナメントを勝ち上がったのが、過去に新極真会第56回全日本空手道選手権大会準優勝、第13回全世界空手道選手権大会7位などの実績を持つ遠田竜司(新極真会 東京江戸川支部)だ。第2回国際フルコンタクト空手道選手権大会男子軽重量級優勝の前田勝汰(新極真会 和歌山支部)を準々決勝で下し、準決勝では後藤を下した堀之内を撃破。迎えた決勝では髙橋耕介(新極真会 世田谷・杉並支部)との同学年対決を制し、本大会での初優勝を成し遂げた。

初優勝をはたした遠田

その他の階級では、第1回全世界フルコンタクト空手道選手権大会に続き結果を残した澤井天心(男子軽量級/新極真会 東京城南川崎支部)、同門の後輩との決勝を制し、初のビッグタイトル獲得となった大坪裕希(男子軽中量級/新極真会 福岡支部)、階級転向後の初戦で優勝を手にした前平斗真(男子中量級/新極真会 福岡支部)、第1回全世界フルコンタクト空手道選手権大会で準優勝となった悔しさを晴らした塚本慶次郎(男子軽重量級/新極真会 世田谷・杉並支部)が優勝を飾った。

女子は、重量級に出場した鈴木未紘(新極真会 厚木・赤羽支部)が、圧巻の優勝劇を見せた。彼女は2022年12月から8連続優勝を継続している、フルコンタクト空手界の絶対女王だ。

今大会でもその強さは際立っており、初戦、準決勝、決勝をいずれも本戦5-0(相手側に一本も旗を上げさせない完勝)で走破。決勝では一昨年と昨年だけで4度対戦しているライバル・藤原桃萌(新極真会 福岡支部)を真っ向勝負でねじ伏せ、これぞ絶対女王という闘いを見せた。これで連続優勝記録は「9」となり、さらなる高みに歩を進めた。

女王・鈴木は連続優勝記録を更新

さらに女子のトピックスとなったのが、鈴木の妹・成実(女子中量級)の活躍だ。今大会が一般部(高校生も出場可能な成人の防具なしカテゴリー。女子は一部着用)での全国大会デビューとなった彼女だが、破竹の快進撃で優勝を飾ったのである。

以前からユース・ジュニア年代の全国大会(新極真会カラテドリームフェスティバル、全日本青少年フルコンタクト空手道選手権大会)で連覇記録を打ち立てるなど、頭角を現わしていた成実だが、今大会でのいきなりの優勝は大きなサプライズとなった。

妹・成実(左)と姉妹優勝をはたした未紘

この結果を受けて未紘は「妹の成実と優勝すると決めて、支えてくれた母を喜ばせるために姉妹優勝を目指してやってきたのでよかったです」とコメント。一方の成実もあどけない表情で喜びを語りつつ、「(次の大会で)絶対に決勝に残って姉を倒します」と宣戦布告。姉妹が対戦する可能性があるのは、今年10月に控える『新極真会第57回全日本空手道選手権大会』であり、今後の姉妹の動向にも注目だ。

その他の女子階級では、本大会に4度目の挑戦で悲願の初優勝を飾った森みいな(女子軽量級/成心會 福岡支部)、昨年敗れた相手に決勝でリベンジをはたした渡部はるあ(女子軽中量級/新極真会 福岡支部)、悲願のビッグタイトルを手中に収めた“高速パンチ女子”こと目代結菜(女子軽重量級/新極真会 東京城南川崎支部)が頂点に立った。

大きな熱量を生み出した体重別全日本決戦が閉幕。今後のフルコンタクト空手界の動向が、ますます楽しみになった。