「予定通りです」。 2年ぶりに出場したSUMMER STYLE AWARD湘南予選(5月17日)を振り返り、そう笑顔を見せるのは、ビキニモデルショートで準優勝に輝いた「いおりん」こと中谷伊織だ。
現在は飲食店を経営するという彼女。ボディメイクとの出会いは7年前にさかのぼる。
「2019年に飲食店経営を始めて、お店と自宅の往復ばかりの生活になったんです。少し落ち着いた頃に体を動かそうと思いました」
本人は「運動とは無縁だった」と話すが、幼少期から水泳に打ち込み、学生時代にはランニングやサーフィンも経験。もともとアスリートの素地はあった。
その後、レースクイーンやモデルとして活動するようになると、体形維持は主に食事制限に頼るようになった。しかし飲食業を始めると会食や飲酒の機会が増え、「不健康な生活になっていた」という。そんな時に始めたのがエクササイズだった。
「筋力がつかないと太りやすい体質でしたし、昼間は家にこもりがちだったので、パーソナルジムに通い始めました」
その直後にコロナ禍が訪れた。飲食店は大きな打撃を受けたが、通っていたジムでボディメイク競技者たちと出会い、サマスタ出場を勧められた。
「友だちにも出場者がいて、『面白そうだから出てみようかな』という軽い気持ちでした」
2022年にサマスタデビュー。モデルとして培った表現力も武器となり、2023年、2024年と2年連続で準優勝をはたした。しかし昨年はあえて競技から離れた。
「行き詰まったわけじゃないですけど、もう1回ちょっといろいろ見つめ直そうと思って、去年は出場しませんでした。もう出場しなくてもいいかなと思った時期もありましたが、ビキニモデルにプロカード制度ができたのもあって、じゃあ挑戦しようかなって」
復帰戦となった今回の湘南大会。2年ぶりの舞台でサマスタのレベル向上を実感したという。
「ビキニモデルは筋量だけではなく、ポージングや全体のバランスが重視されます。その年ごとのトレンドもあって、ジャッジ基準が本当に難しいんです」
現在は有酸素運動だけの日も含めれば週5~6回トレーニングに励んでいる。本業のほか月2回ほどモデルの仕事も入るので、完全オフの日はほとんどない。基本的に自炊し、仕事柄どうしても舞い込んでくる食事の誘いも断っているという。そして、大会2週間前からは禁酒を徹底している。
「今のトレーナーさんとはしっかり信頼関係を築いているので、過去イチの仕上りです」
復帰戦での準優勝の勢いそのままに6月13日の千葉予選に挑戦する。狙いはもちろん優勝だが、表情に焦りはない。
「気負い過ぎても結果は良くないので(笑)。私の場合は競技が本業ではないですし、仕事や生活とのバランスを取りながらベストを尽くしたいです」
悲願の頂点まで、あと一歩。その一歩をつかむため、中谷は平常心を貫く。

