6月13日~14日、あきた芸術劇場ミルハスにてJAWAアームレスリング全日本大会が開催され、大きな盛り上がりを見せた。
今大会にはアームレスリング歴27年の世界王者・山田よう子が参戦。彼女はシングルマザーとして5人の子どもを育てつつ、タレント活動や講演会なども行ないマルチに活躍。池口恵観大阿闍梨、池口豪泉大阿闍梨の弟子として社会貢献活動にも精を出している。
山田は若手選手たちに交じって会場入り。子どもたちも連れて決戦の場に現われた。
ユニフォームにはたくさんのスポンサーロゴがあり、胸元には鳩の絵とJURIASUという文字が描かれていた。前回の記事で触れた鳩の名をユニフォームに刻んで闘いに臨むと言う。
生き物との縁は不思議であり、今大会に向かう前には道路で引かれていた3匹のカモと出会っていた。カモを見つけた山田は乗っていたタクシーをすぐにUターンさせ、下車。1匹はすでに亡くなっていたため、そっと道路の端に寄せる。足をケガしていた2匹を家に連れていき処置を行なった。命に対する愛情の深さに彼女の人柄が現われていた。
優しさと強さを兼ね備えた女王は、今大会でも圧倒的な強さを見せてくれる。そう思ったが大会当日の彼女は、どことなくいつもの気合いあふれる山田ではなかった。
理由は明確で、彼女は昨年の全日本大会から一度も練習をしていなかった。秋田に向かう2日前、一人で左右のスタート練習を30回だけ行なったそうだ。
山田は「どんな結果になろうと今の私の実力だし受け止めます。ただ今回は大切な方へのためにも、いなくなってしまったジュリアスのためにも、そして我慢させてきた子どもたちのためにも優勝にこだわるのではなく、金メダルを獲らないといけないんです。だから私の熱い魂が勝つのか、実戦練習をしてきた“目に見える力”が勝つのかを確かめる試合になるのかな、とも思っています!」と語った。
山田は淡々と勝ち進み、マスターズ-55キロで見事に左右優勝をはたした。翌日の試合では、名前のコールが5回、6回と繰り返される中、失格寸前で手を上げながら駆け込みで登場。アーム台に向かい、息を整える暇もなく試合に臨んだ。左はすぐに決まらない試合もあったため、周りからは「昨日の試合の疲れ?」「いつもらしくないね!」など言われていたが、「疲れもないしこれが今の私の実力だよ」と答えていた。
どこか気持ちに迷いがありそうな感じが見て取れた。それでもシニア-52キロでも左右優勝し、エントリーした階級で4つの金メダルをゲット。9月に行なわれる世界大会の出場権を手に入れた。
大会後には「アームレスリングをしていて、まったく練習もやらずに試合をしたのは初めてでした。私生活でいろいろと問題があり気持ちの入れ替えが難しかったのと、自分の中での変化ですかね。子どもも思春期を迎えますし、自分より子どものことを中心に考える必要が大きくなってきました。まだまだ親として子どもに残してあげたいことがあり、思うように練習ができませんでした。今のままでは世界は獲れないとわかっていますし、自分自身に『ナメるな!!』と言ってやりたいですね。時間もないのでどうするかは少し考えたいと思います」と語った。このような状況下でも見せた強さから、彼女の女王たる所以が垣間見えた。
多彩な活動を行なう山田は、7月25日(土)は銀座のライブハウスで久しぶりのライブを実施。8月25日(火)には“ジュリアス”のアクセサリーなどの販売と講演会を川崎チッタで行なう予定だという。山田のこれから先にまだまだ注目したい。



