管理栄養士の山田賢児さんが、食にまつわる疑問を解決する本連載。今回は、毎日の仕事や勉強にも欠かせないコーヒーについて聞きました。
毎日仕事や勉強をする上で「コーヒーが欠かせない」という人は多いのではないでしょうか。“眠気覚ましや集中力向上のため”と称して飲みすぎてしまう日もあるかもしれません。

コーヒーを飲むとシャキッとする気がするのは、ご存知の通りカフェインのおかげです。カフェインは体に取り入れることで、交感神経を優位にしたり、心拍数を上昇させたりする作用があります。あくまでも適量であれば、覚醒効果によって仕事がしやすくなる人もいるでしょう。ただし摂取量が過剰になると、心拍数が上昇したり、過度な覚醒状態になったりする場合もあるので飲みすぎには注意が必要です。
具体的には、カフェインの摂取量は1日に400mgまでに収めることがひとつの目安です。コーヒー1杯を140ccと仮定すると、1杯に含まれるカフェインの量は80mg程度(日本食品標準成分表2020年版(八訂)より)。1日4~5杯に留めることが目標になってきます。
摂取する時間帯にも注意が必要です。体に取り入れたカフェインは3~7時間で半減するので、就寝時刻の7時間前には飲み終えていれば、睡眠に悪影響を及ぼす可能性は低くなります。たとえばいつも夜0時に就寝しているなら、17時以降は飲まないほうがいいと言えるでしょう。
「コーヒーを習慣的に飲むことは、あまり健康によくないのでは?」と感じている方もいるかもしれませんが、カフェイン自体は一概に悪いものではありません。実際に私も毎日飲んでいます。
ただ、目的なくコーヒーを飲んでいるなら要注意だと思います。たとえば、水分補給の一環でコーヒーを飲んでいたり、夜遅い時間帯に摂取する習慣があったりするとしたら、意識的にコーヒーを飲む習慣を減らしてみるのもひとつだと思います。“集中力の向上”など目的を持った飲み物として飲むならいいと思いますが、惰性で飲み続けることはおすすめしません。
また、「コーヒーは飲みたいけどカフェイン量を減らしたい」といった場合は、デカフェ(本来カフェインを含む飲食物からカフェインを90%以上取り除いたもの)のコーヒーを用意しておいたり、置き換えとして炭酸水を飲んだりすることで、飲みすぎを防ぐことができると思います。
これは余談ですが、甘いコーヒーが好きな人もいますよね。朝専用をうたった甘いコーヒーも出ていますが、あれはカフェインと砂糖で朝の覚醒度を一気に上げる効果が期待できると思います。眠気覚ましは必ずブラックコーヒー、というわけでもないので、糖分の過剰摂取に気を付けつつ、バリエーションに変化をつけて活用するのも一手です。
コーヒーは上手く付き合えば、仕事や勉強の心強い味方になってくれます。とはいえ「とりあえずコーヒーで元気を出す」という考えではなく、自分の体調と相談し、調子がいい日はあえて飲まないという選択肢もあります。コーヒーには過度に依存することなく、自分に合った用途やペースで楽しむといいでしょう。
