7月26日に岡山芸術劇場 ハレノワにて行なわれたJBBF(日本ボディビル・フィットネス連盟)主催の「第6回日本クラシックフィジーク選手権」にて、五味原領が日本一4連覇を達成、通算5度目のオーバーオール優勝を成し遂げた。
この競技のスタートからトップ戦線に立ち続け、6度目の舞台ともなればさすがに余裕も生まれるか。クラシックフィジーク独特のバキュームポーズ(大きく息を吸い込んで内臓を引き上げるポーズ)一つにしても、ポーズをとっていると苦しくなって何度もとり直す選手がトップレベルでもいる中、彼の場合は微動だにしない、表情もまったく変わらない。「余裕」、そんな風に見える。
だが、それはあくまで技術的な話であり、絶対王者に追いつき追い越せと周囲のレベルも急激に向上中。「今年もなんとか乗り切れたかな、と。周りの選手についていくことができ、優勝は嬉しいと同時に安堵の気持ちが大きいです」とバックステージでは緩やかな表情を見せた。
連覇が続くほど、周囲は「今年も優勝は五味原だろう」という目でステージを見守る。クラシックフィジークに限った話ではないが、このボディコンテストは基本的にステージに立つ多くの選手が、前年から改善を試みた上で勝負に挑む。だからこそ、一度頂点に立った選手も彼らと同じかそれ以上のペースで成長を続ける必要がある。追われる者にとって、プレッシャーにならないわけがない。
「私自身は国際大会で結果を残したい思いが強くありますが、まずは国内の高い壁を乗り越えて勝たないとそこに行けないわけですから。もちろんプレッシャーは感じます。競技人口も増えたことで選手の層も間違いなく厚くなっていますし、トップ選手は誰が世界に行っても戦えるような状況になってきました。私自身も毎年、出場するたびに自分自身の弱さが浮き彫りになる部分はあります」
ここ数年は自身がオーナーを務めるジムをオープンさせ、そこに日本体育大学出身の後輩を受け入れたり、YouTubeチャンネルでは彼らとともに競技や筋肉についてとことん語り合ったりするなど、彼を取り巻く環境も年々変化してきた。現在28歳、気がつけば業界の将来を担う若手の一人から、その背中で多くの仲間を導く中心的存在になってきた。「私を支えてくださる方も増えているし、私が引っ張っていかないといけない人間も増えました。そういう仲間の存在が非常に大きいですし、もはやこのステージも『私だけの戦いではない』、そんな心境で臨んでいます」と話す。
11月には、再び世界の舞台へその肉体で勝負を挑む。
「身体の膨張率や、ポーズをとったときの変化率や完成度というところで勝負していますが、やはり世界に行くと、単純に“肉”の量が多い選手たちが大量にいるので。彼らに勝てるようになるためには、私自身も“肉”の量をもっとつけて、重量感のある身体をつくっていきたいと思います」


