9月20日に開幕するクロスフィット日本一決定戦『JAPAN CHAMPIONSHIP』に向けて、注目のクロスフィッターを紹介する本企画。第7弾は、日本女子クロスフィット界で、長年トップを走り続けてきた作山悠子さん。
2012年にクロスフィットを始め、翌年には早くも日本人トップに。その後も国内だけでなく、アジアの舞台で結果を残してきた。昨年は自身の施設のオープンなどもあり、以前ほどトレーニング時間を確保できない時期もあったが、今年、ふたたびジャパンチャンピオンシップへの出場を決めた。その背景にあるのは、もう一度自分自身に挑戦したいという思い。そして、自分の姿を通してクロスフィットやファンクショナルトレーニングの魅力を、もっと多くの人に知ってほしいという思いだった。
――昨年はジャパンチャンピオンシップに出場されませんでしたが、今年、ふたたび出場しようと思った理由を教えてください。
「昨年の10月頃から、施設をオープンする準備などもあって、トレーニング量がそれまでの半分以下になっていました。クロスフィット・オープンにも出ていませんし、首の付け根を痛めて、今年2月頃までは重いバックスクワットもほとんどできなかったんです。だから今回は、もう一度『1から挑戦する』という気持ちで挑みます。
それと、今は新しいお客さんにファンクショナルトレーニングを提供する施設をやっているのですが、クロスフィットの大会に出ている人たちなら私のことを知っていても、一般の方にはまだまだ知られていません。私自身を知ってもらうこともそうですが、それ以上に、私が大会に出ることでクロスフィットという競技をたくさんの人に見てもらって、『こんなスポーツがあるんだ』『こんな人たちがいるんだ』と知ってもらう、いいきっかけになればと思って出場を決めました。
私だけではなく、大会に出ている選手たちを見てもらえば、仕事をしながら高いレベルを目指している人もいるし、男女問わず本当にすごい選手がたくさんいます。そこから『自分も運動をがんばってみよう』と思ってもらったり、ファンクショナルトレーニングにもっと魅力を感じてもらえたりしたらうれしいですね」
――クロスフィットを始めたのはいつ頃ですか。
「2012年9月頃です。『マッスル&フィットネス』という雑誌でHIITが取り上げられていて、YouTubeで調べた時にクロスフィットを知りました。『これをやれば、こういう体になれる。いろいろなことができるようになって、強くなれそう』とあこがれたのがきっかけです」
――それ以前は、どんなスポーツをしていたのでしょうか。
「中学ではソフトボール、高校ではハンドボールをやっていました。大学ではトレーニングについて勉強する同好会に入り、大学院では一般的なジムで筋力トレーニングをしていて、大学院の修士課程にいた時にクロスフィットと出会いました」
――競技を始めてから、かなり早い段階で日本トップになっています。
「2013年のクロスフィット・オープンでアジア15位になって、その時点ですでに日本人1位でした。その後リージョナルに出場して5位、翌年は3位。最初はかなり順調に順位が上がっていきました。ただ、オーストラリアとアジアの地域が統合された時に、一気に順位が落ちました。そこで『このままでは戦えない』と感じました。競技自体も体重が重い選手に有利になってきていたので、体重を大きく増やせないなら筋肉の密度や筋量を上げようと考えて、マシントレーニングなど普通の筋トレも積極的に取り入れるようになりました」
――若い選手たちも次々と追いかけてきています。脅威を感じることはありますか。
「脅威は今は感じていません。もし私が脅威を感じるとすれば、ウェイトリフティングで明らかにかなわないレベルで、なおかつジムナスティックスなどもバランス良くできる選手が出てきた時だと思います。今のクロスフィットはウェイトリフティング能力が重視される傾向があります。そこを一定以上まで上げて、さらに普通の筋力トレーニングもしっかりやり込むことが重要だと思います。私は体重は軽いですが、東京都パワーリフティング協会のバックスクワット記録を持っていますし、ベンチプレスでは世界大会3位、ウェイトリフティングでは東京都代表として国体にも2度出場しています。もし私に勝とうと思うなら、そうした筋力系の競技でも全日本大会に出られるくらいの力が必要だと思います」
――ジャパンチャンピオンシップ本番に向けて、どのように仕上げていきますか。
「今も満足できるほどの練習時間は取れていないので、その中で地道に筋力トレーニングを中心に続けていきます。特別なことをするつもりはありません。クロスフィットは経験があるほど、本番でも落ち着いて自分の力を出せる競技だと思っています。最終日の最終種目まで気を引き締めて、油断せずにやるだけです」


