荒々しさのボディを持つ東海のビースト 落ち着きも得て貫録の学生大会連覇で有終の美「卒業後は未定。ボディビルは絶対に続けていきます」




9月27日、東京大学安田講堂にて「第60回全日本学生ボディビル選手権大会」が開催され、名城大学4年の久野清照が優勝。昨年に続く連覇達成となった。

【フォト】狂気的な雰囲気を持つ久野

目にかかりそうなくらい伸びたパーマヘアに、キリっと危険な雰囲気にも見える表情。そんな姿から、大胸筋をはじめストリエーションがバシっと走るボディでマスキュラーポーズをとるものだから、凶暴な獣のようなイメージはグッと増す。昨年、審査員長の臼井オサム氏が彼を、「荒々しさ」という言葉を出して評したのは、まだ未熟さの残るボディビルディングの粗削りさという意味が主ではあるだろうが、彼の独特の雰囲気も含んだものであろうと思われる。

だが、ステージを降りると、そんな印象派はさっぱり変わる。声を掛けると、「5つの部分賞も含めて、めちゃくちゃ嬉しいです」と、今年も学生らしい笑顔を見せてくれた。

昨年のチャンピオンであり、8月に行なわれた日本ジュニア選手権でもオーバーオール優勝を獲得。この年代最強のボディビルダーの一人であり、優勝の筆頭候補と言われる中でプレッシャーはなかったのか。

「ここに至るまでに緊張とかはあんまりなかったんですけど、やっぱり大会に来たら、もうめっちゃ緊張しちゃってビグビグして。でも、なるべく日常通りというか、緊張してるところをステージでは見せないようにしていました」

実際に臼井氏も今回の講評では、「昨年までは荒々しかったが、今年は落ち着きが見えた」と話し、最終学年、3度目の学生大会の経験値が貫録あるステージングを後押ししたのであろう。

今年は8月の日本ジュニア、9月の学生選手権、そして10月にはジュラシックカップ出場を控えており、1カ月おきに3度ピークをつくるハードなシーズンを送っているが、「とにかく、なんとか気合いで」と学生らしく笑う。いずれ、よりトップレベルで大会出場を重ねる際の経験値となるはずだ。

4年生ということで、来春には大学を卒業する。今はまだ先のことは決まっておらず、ボディビルとともに生きていく方向とのことだ。

「卒業したら、いったんはバイトをしながらトレーナーになるための勉強をしつつ…と考えています。まだ自分自身、今はやりたいことを見つけられておらず、もし見つかればそこに向かう可能性もありますが、ボディビルは絶対に続けていきたいと思っています」

最後に、今後の目標を聞いた。

「日本選手権のファイナリスト…と言いたいですが、そう言ってしまうとそこで終わっちゃう気がするので。やっぱり日本一を目指して頑張りたい。そしていずれは世界でも戦える選手になれるよう努力していきます」

文・写真/木村雄大