クロスフィット日本一決定戦 王者の連覇と挑戦者が抱いた1年間の思い




2日間にわたって開催されたクロスフィット日本一決定戦「Japan Championship 2026」の男子Eliteを制したのは、前年王者・崎山寛至選手だった。

【写真】クロスフィット日本一決定戦の熱戦模様

2位は丹羽桃太郎選手、3位は三条淳一選手。大会後、表彰台に立った3人が口にした言葉はそれぞれ違った。

連覇を目標に掲げ、それを成し遂げた崎山選手。崎山選手を倒すことを目標に一年間トレーニングしてきた丹羽選手。そして競技を長く続けながら、クロスフィットそのものをより多くの人へ広げたいと語った三条選手。三者三様の思いが表われた表彰台となった。

6イベントすべて5位以内、崎山寛至が連覇

イベント1から1位、3位、3位、5位と安定した強さを見せて初日から首位に立った崎山選手は、2日目もイベント5で1位、イベント6でも最後に丹羽選手を最後逆転して1位と、全6イベントを5位以内という、前年王者として追われながら最後まで他の追従を許さない力を発揮してトップを譲らず、連覇を達成した。

表彰台では、その結果に安堵した。

「今回、史上初の2連覇を目指してずっとやってきました。それが叶えられて本当に安心しています」

さらに、支えてくれたジムの仲間や周囲への感謝を述べた後、今後についてこう語った。

「アジア、世界を目指してずっとトレーニングしています。でも、日本でクロスフィットを盛り上げたいという気持ちがあるので、Japan Championshipが開催される限りは出続けて、優勝したいと思います」

連覇を達成しても、視線はすでにその先へ向いていた。

「崎山選手を倒すために」丹羽桃太郎、5位から2位へ

予選1位で本戦へ進んだ丹羽選手は、初日を5位で終えた。

しかし2日目、Event 5で4位、最終Event 6では2位と順位を上げ、最終的に総合2位まで浮上した。表彰台で丹羽選手が明かしたのは、この一年間、明確な目標を持ってトレーニングしてきたことだった。

「ずっと崎山選手を倒すために、1年間がんばってきたんですけど、その目標は残念ながら……」

優勝には届かなかった。それでも、丹羽選手にとって今回の表彰台にはもうひとつ大きな意味があった。家族を持ち、仕事や生活への責任が増える中でも競技を続けてきた。そして最後には、支えてくれた妻への感謝を口にした。

「妻のサポートがなければ、僕はここに立てないので」

目標としていた頂点には届かなかったが、丹羽選手は最後まで王者を追い続けた。

三条淳一が語った「楽しく、長く」

初日2位につけ、Event 4では1位を獲得。最後まで上位争いを続けた三条選手が総合3位に入った。

競技大会に出始めて約6年。表彰台で三条選手が語ったのは、自身の順位だけではなく、クロスフィットとの向き合い方だった。

「楽しくなきゃ続かないので、緩く長くここまでやってきたら、ちょっとずつ強くなってきた」

そして現在、競技レベルが上がり、すごい選手や大会が増えてきたからこそ、新しくクロスフィットを始める人たちにも、この世界を伝えていきたいという。会場を埋めた仲間たちの熱量を、そこで完結させない。新しく入ってきた人にもその楽しさを見せ、クロスフィットの輪をさらに広げていきたい。三条選手の言葉には、長く競技を続けてきた選手だからこその思いが込められていた。

三者三様の表彰台

史上初の連覇という目標を実現した崎山選手。

王者を倒すことを目標に1年間を過ごし、初日5位から2位まで追い上げた丹羽選手。そして3位に入りながら、自分自身の結果以上にクロスフィットのこれからを語った三条選手。

同じ表彰台に立った3人だが、そこへ至る道も、そこで語った言葉も違った。その中央で優勝トロフィーを手にした崎山選手は、「Japan Championshipが開催される限り出続けて、優勝したい」と宣言した。

2連覇を成し遂げた王者を、来年は誰が止めるのか。男子Eliteの戦いは、すでに次のJapan Championshipへと続いている。