【子どもの瞬発力UPトレーニング①】 ゴールドキッズ メソッド




2003年クラブ開設から16年、全国レベルの少年少女レスリング大会において延べ100個以上のメダルを獲得。さらに、カデット、ジュニア、シニアとすべてのカテゴリーの世界選手権で男女ともチャンピオンを輩出してきたレスリングクラブ「ゴールドキッズ」。創立者であり、いまも現場で子どもたちの指導を続ける成國晶子代表がトレーニングにおいて最も重視するのは瞬発力を上げることだ。トレーニング方法を紹介していく。

 

低学年で瞬発力を上げていけば
どんな競技でも技術力は上がる

成國晶子代表は子どものトレーニングで瞬発力を上げることを重視している。

「骨や筋肉が成長段階にある子どもは、神経伝達をよくして、全身を使うことで運動能力を上げることができ、将来のパフォーマンス向上につながります。大事なのは無理な重量を担いで骨、筋肉、靭帯に負担を与えず、ナチュラルな自重を使って、運動能力を上げていくこです。この年代は一度正しい体の使い方を身につければ、一生体が覚えています。バク転やバク宙ができるようになった子はしばらくやらない時期があっても、一生できるものです。それゆえ、一度覚えた動作を次のトレーニングに活かしていけば、さらには競技力向上のためのパフォーマンスアップにつなげることができるのです。私が考える“ゴールデン・エイジ”とは、各競技で技術力が向上する時期。その前段階である小学校低学年のときに瞬発力を上げていけば、どんな競技でも必ずや技術力は上がっていくというわけです。また、高校生ぐらいになると、サッカー部ならサッカーしか真剣にやらないようになり、競技にばかり熱中しがちで飛び跳ねるような動作が少なくなり、遅れている部分、劣っている部分を補うフィジカルトレーニングが足りない選手が多いのが実情です。だからこそ、子どものうちにしっかりと瞬発力を鍛え、そのうえでそれぞれの競技に合わせたトレーニングをしていきましょう」

以後3回にわたって、ゴールドキッズで行われている瞬発力をアップさせるトレーニングを紹介。

「ポイントは正確に、“リズムよく”やるよう意識すること。できるようになったら、徐々にテンポを上げていきましょう。動作の切り替えしは間をおかず、瞬時に! 毎回、すべてのメニューをこなす必要はありません。指導者はできるだけ多くのメニューを用意し、さらにアレンジした応用編を考え、子どもたちを飽きさせることなくトレーニングさせてください」

トレーニング監修/成國隆大〈柔道整復師・針灸師・NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト〉
トレーニング指導/瀬野春貴・成國大志

◆1 跳び箱からダッシュ  5回

両足ジャンプで跳び箱に上がる
両手を振って、飛び降りる
できるだけ遠くに着地。すぐに構えて強く蹴り出してスタート
15mほど全力でダッシュ。ジョギングで戻って続ける

 

◆2 ボックスジャンプ  10回

ヒザを曲げた状態から大きく手を振ってジャンプ
両足同時に着地。両足のカカトは跳び箱の縁にかけず、しっかり乗せる
そのままの姿勢を崩さす、後ろ向きのママすぐに飛び降りる
両足で着地。連続して同じようにジャンプする

【ポイント】ドタバタ音を立てず、忍者のようにスーッと!

 

◆3 スナッチジャンプ  5回

両手を肩幅より少し広げてバーを持ち、頭上で保持する。体を起こし、前かがみにならないようにしゃがむ
その状態から両足ジャンプ。前へ出ず、その場で着地

 

◆4 スピードランジ

前方に出した足と後方に引いた足を両方ともヒザを90度曲げて体を沈める。両手を肩幅より少し広げ、頭上でバーを持つ
両足を素早く前後入れ替える
両ヒザとも90度曲がっていることを確認
両足が着地したと同時に素早く入れ替える

【ポイント】腰の高さを一定に保ち、体が上下しないように!

 

◆5 起き上がってダッシュ 10往復 ※5秒ごとにブザーを鳴らす

リラックスした状態で仰向きに寝る。両手は頭の上で軽く組む
ブザーが鳴ったら、すぐに起き上がりダッシュ
15mほどダッシュしてすぐに止まる
1の状態に戻り、次のブザーで起きて走り出す

 

◆6 サイドジャンプ 15往復

マットにうつ伏せになった人の片側から両足を揃えてジャンプ
反対側へ着地
両足同時に着地する
着地したらスグに反対側へジャンプ

【ポイント】テンポよく。できるだけ高くジャンプする

 

◆7 馬跳び 馬跳び・くぐり抜け10回

両手で左右それぞれ足首を持って構えている人の後ろから馬跳び
着地したらすぐ方向転換
相手の股を素早くくぐる
くぐり抜けたらすぐに立って馬跳び

【ポイント】
くぐるときは相手の股の間に大きく踏み出し

 

今回はここまで。メニューはまだまだたくさんあります。

※つづく。

 

取材・宮﨑俊哉/撮影・佐久間一彦

ゴールドキッズ